マンション・バリューアップ・アワード

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財政部門(組合財政の健全化)

特別賞
デマンドコントロールで
年間電気料金を400万円削減!

ジオタワー西宮北口管理組合様

背景

  • ジオタワ―西宮北口は、兵庫県西宮市にある26階建て、総戸数196戸のタワーマンションです。内廊下で各住居を結んでいるため、46台の空調機で温度を調整しています。そのため夏場と冬場の空調機の電力消費が大きいのですが、空調機の温度設定は管理員まかせで、管理組合は無関心でした。
  • 2015年に、電力会社から「電気料金値上げに伴う電気需給契約のお願い」という文書が届きました。2014年度の使用電力の実績から試算すると、2015年度共用部の電気料金は1,500万円近くになることが分かったのです。
  • 電力会社の担当者から詳しく説明を聞いた結果、当マンションは「高圧電力AS」という契約で、大きくデマンド電力(30分間の電気の使用量)で決まる契約料金と、月の使用電力量で決まる料金で構成されていました。また契約料金は2014年8月の請求分で記録された「201kW」が基準値となってしまっていたのです。

目的

2015年以降の電気料金を削減することが目的。一度でも大きなデマンド値が出ると、1年間そのデマンド値が適用される仕組みであるため、以下の2つの方法を考えました。

  1. ①デマンド電力を監視する装置を導入し、「110kW」を基準値の目標に設定。基準値をオーバーしそうになった場合、空調機を停止させて契約電力を下げる。
  2. ②夏場と冬場それぞれで、空調機を使用する時間帯と廊下の温度設定を決める。

実施内容〈バリューアップ〉

デマンドコントロールを予算化

2015年3月の定期総会で2015年度予算としてデマンドコントロールを予算化。2015年6月にデマンド監視装置を導入して、監視を行いました。

手動操作から自動操作へ

デマンド監視装置を導入したことで、基準値を超えそうになるとブザーが鳴るため、空調機を手動で切断することによって基準値に抑えることができることが分かりました。しかし、管理員室にブザーが鳴り響いてうるさいうえに、管理員も部屋を離れられないという問題が発生したため、制御を自動化する必要が出てきました。
空調機を外部制御することは可能でしたが、デマンド監視装置との接続は考慮されておらず、市販品にもそのような適当な接続装置がありません。そこで、既設の空調機とデマンド監視装置を接続するための接続装置を管理組合で設計し、製造と施工は業者に依頼することにしました。

接続装置の設計

私は現役のころ通信機器の設計を行っていたので、電気配線の図面は比較的簡単に書くことができます。しかし、プログラムは「ラダー言語」という特殊な言語で書く必要があり、WEB学習で習得しました。そのうえで、装置の電気配線図面と中心のシーケンスコントローラのプログラムを作成。配線図を業者に渡して配線作業をお願いしました。

結果

  • 装置は2015年11月に完成し、12月から本格稼働に入りました。
  • 年度ごとの電気料金では、2014年7月に201kWのデマンド値を記録したため、ピークの年となっています。デマンドコントロール装置を導入した2015年は、201kWの契約電力が残り、夏場は手動のデマンド制御となったため、十分下がりきらなかったものの、その後900万円前後と安定して推移するようになりました。ピークの2014年度と2018年度を比較すると、400万円程度の改善がみられます。
  • 今回装置の導入費用は総額で55万円なので、十分回収できたと考えています。また、現在毎月の使用電力と電力料金は、理事会のチェック項目として関心を持つようにしています。

苦労した点・工夫した点

空調機のON/OFFは、手動、タイマー、デマンドコントロールと3つから矛盾なく行うことができるような装置を開発しました。

居住者の声

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