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 新年に当たり、ご挨拶申し上げます。
 まず、元日に発生した能登半島地震、2日に発生した羽田空港での航空機事故でお亡くなりになった方々にお悔みを申し上げますとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。

 さて、昨年を振り返りますと、5月の新型コロナ5類移行後、日本経済は活発化し、訪日観光客数が月次で過去最高となるなど旺盛なインバウンド需要が国内消費の牽引役を担っています。一方、原油、天然ガス、食料品などの輸入価格は継続して上昇し、円安と相俟って、物価上昇が国民生活に負の影響を与えています。国際社会においてはウクライナ侵攻に、イスラエルのガザでの戦闘が加わり、なお予断を許さない状況です。
 他方、マンションを巡る状況を鑑みると、建物と人、いわゆる「2つの高齢化」は待ったなしの状況です。築40年以上のマンションストックは2022年末現在で126万戸、20年後には3.5倍の445万戸に急増するという推計もあります。居住者の方々の高齢化も進んでおり、役員の担い手不足による組合運営上の機能不全、必要な修繕積立金を確保できないことによる建物の不具合の進行などの課題が山積しています。これらの課題に対し、マンション管理の現場に携わる者として着実に対応していくことが弊会の使命であると考えており、本年においても諸施策に取り組んでいくこととしています。


【適正評価の推進】
 まずは、弊会で推進しているマンション管理適正評価制度(以下「評価制度」)です。
 適正評価は、マンション管理の状況を管理組合が毎年チェックし等級評価するもので、いわば我々の健康診断と同じものです。そして、適正評価を基に計画的な修繕積立金の引上げ設定や適時適切な大規模修繕工事を行っていくことを通じ、マンションの長寿命化と居住価値の維持向上にも寄与するものです。
 弊会では、評価制度の社会的定着に向け、令和6年度末までに1万件の登録を目標として会員各社が各管理組合に働きかけを進めています。
 評価結果については、昨年12月末日現在、2,700件を超える登録件数となっており、弊会ホームページで公表しています。また、不動産ポータルサイトや流通事業者の7つのサイトで連携・情報公開しています(同日現在)。
 また、評価結果を登録したマンションについては、マンションライフを支援するサービスを受けられるようになりました。例えば、昨年には、地方銀行4行にて、リフォームや購入時における住宅ローンの優遇金利サービスが開始されたところです。
 本年は、このような評価制度の周知活動及び活用促進に向けた政策要望活動を推し進めるとともに、学識経験者やシンクタンクとも連携し、良質なマンション管理と市場での好評価との間に正の相関関係があることを明らかにすることにより、適正評価によって「管理の見える化」がなされ、資産価値の維持向上に繋がっていくことを広く世に示して参る所存です。


【マンション長寿命化促進税制の活用・拡充】
 関連税制としては、マンション長寿命化促進税制が昨年4月に施行されました。これは、管理計画認定を受けたマンションに長寿命化工事が実施された場合に建物部分の固定資産税額が減額されるというものです。弊会がかねてより要望を続けていた既存マンションに対する初めての税制特例措置として、大いに歓迎しております。
 現在弊会では、同税制に関する事例調査を所管委員会において行っており、その実態を基に、令和7年度に迎える時限措置の延長・拡充に向けた活動を行うこととしています。


【標準管理委託契約書改訂への対応】
 昨年の「標準管理委託契約書」改訂では、受託管理業務実施上のDX対応、カスタマーハラスメント対応など担い手確保・働き方改革への対応、居住者の高齢化、感染症のまん延等マンション管理業の事業変化への対応について所要の手当てが行われました。今次の改訂内容は、「マンション管理業の成長発展と社会的評価の向上及びDX推進」を目指す弊会の方向性と合致するものであり、今後は、改訂委託契約書の趣旨に則った基本施策を進めてまいります。


【国における検討への参画】
 また国土交通省では、法制審議会の区分所有法制の見直しの動向を踏まえつつ、「2つの高齢化」に対応したマンションの管理・修繕・再生のための施策を検討されていましたが、昨年8月に、今後のマンション政策の方向性が取りまとめられました。この検討会には、弊会からも委員を派遣し、マンション管理の現場の実情を踏まえた長寿命化を図る観点から意見具申してきたところです。
 現在、国土交通省では、この「取りまとめ」を受けて、「標準管理規約見直し・管理計画認定基準のあり方に関するワーキンググループ」と「外部専門家等の活用のあり方に関するワーキンググループ」を設置し、施策の具体化に向け、3月末までに成案を得るべく検討を進めているところです。
 弊会としても、実際に管理業務に携わる者として、真に管理現場の実態に即した制度改訂となるよう意見具申・提案を行って参ります。


【最後に】
 以上のとおり、マンション管理を巡っては多くの課題がありますが、弊会は本年も様々な課題に積極的かつ着実に取り組んで参ります。
 結びに、本年12月に弊会は45周年の節目を迎えます。今後もマンション管理業界の発展のため全力を尽くして参りますので、関係各位の皆様の一層のご支援とご協力をお願い申し上げますとともに、会員各社の皆様のご健勝、またご活躍を心よりお祈り申し上げ、新年の挨拶とさせていただきます。

 

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