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新年のご挨拶を申し上げます。
想定を超えた丸2年に及ぶコロナ禍が、漸く沈静化に向かったかと期待されましたが、南アフリカで始まったオミクロン株は世界的に拡大しつつあり、まだまだ予断を許さない状況です。
経済再開に向けた動きも、原油価格の高騰やインフレ懸念など、持続的な成長軌道に乗るにはまだまだ時間が必要とされるようです。
マンション管理業界では、令和2年に公布された「改正マンション管理適正化法」に基づき、管理計画認定制度の認定基準及びガイドラインが昨年11月に公表されました。施行は本年4月。各地方公共団体が条例で管理適正化推進計画を定めた上で始まることになります。
当協会では、管理の質を市場価値に適正に反映すべく、一昨年の関連業界11団体による「マンション適正評価研究会」の取りまとめに基づき、管理適正評価制度の構築を進めて参りましたが、本評価制度も同じく本年4月、始動することとなります。
国の管理認定制度は、17の評価項目で定められた管理のレベルの適切性を、〇か×で判定するもので、有効期間は5年間。当協会の管理適正評価制度は、国の評価項目を包含した30の評価項目で管理状態を分野別に点数化し、合計点を5つの星の数で表示するもので、毎年更新され、評価状況を市場で公開していくものです。
国の管理計画認定制度と当協会の管理適正評価制度は、懸案の「管理の見える化」を進める目的を共通としており、連携して進めて参ります。
両制度のシステム構築は調整が進んでおり、両制度を当協会に同時申請することが可能となることから、管理組合は両方の審査結果をワンストップで取得することが出来ます。
管理組合の申請は、その多くが手続きを当協会所属の管理会社に委託されることから、当協会を経由する件数は多くなることが想定されます。
当協会におけるこのワンストップサービスは、管理計画認定実務を担う地方公共団体の審査事務の大幅な軽減に寄与すると共に、両制度の普及を相乗的に促進することに大きく貢献することが期待されるものです。
現在国交省では地方公共団体に対し、管理計画認定制度の細目を定めたガイドラインの説明が行われていますが、今後協会の評価制度との連携を深めるべく、各地方公共団体における制度導入の意向の有無、実施時期、上乗せ基準などについて情報を随時公開して頂くことをお願いしたいと思います。
当協会としては、管理組合の登録へのインセンティヴとなるマンション共用部分の保険料割引について大手損保会社との交渉を引き続き行って参りますと共に、複数の不動産流通のポータルサイトに対して、評価指標が掲載されるよう交渉を進めているところです。
本年は、協会の管理適正評価制度と国の管理計画認定制度との連携強化を図り、両制度の普及啓発推進、また制度を利用する管理組合や地方公共団体への支援に向け、協会の総力を挙げて取り組んで参ります。
昨年、マンション管理に関するもう一つの大きな事項として、6月に「マンション標準管理規約の改正」が行われ、ITを活用した総会・理事会の実施が可能となりました。
改正適正化法で実現したIT重説、そして今般改正標準管理規約で示されたIT理事会・総会は、マンション管理業全体の生産性向上や人材不足対策等に資するばかりでなく、管理組合にとって、子育て世帯の参加機会の増加や、高齢化等による役員の担い手不足・負担軽減などに大いに寄与するものです。
改正後半年が経過した現在、一部のマンションではIT理事会の導入が始まり、IT・IoT環境に慣れ親しんでいる若い世代が理事の中心である管理組合や、外部居住する理事のニーズがあるマンションなどでは好意的に迎えられているようですが、モバイル環境に不慣れな高齢者の方が多いマンションなどでは、手探り状態でハイブリッド型理事会を試しているというのが実情のようです。
IT総会については、インフラ整備の負担、通信障害への対応、本人確認の方法、規約改正の手続きなど、乗り越えるべきハードルが多く、開催に至る管理組合はまだまだごく限られているようです。
協会では昨年、DXの推進として、保証機構受諾証明発行のオンライン化や管理業務主任者証交付講習のweb化を開始いたしました。
本年は更に、適正評価制度の審査補助を担う管理業務主任者等に対するweb講習、会員に対するコンプライアンス体制整備のためのweb講習などにも取り組んで参ります。
マンション管理の現場において、政府が強力に進めているDX化が緒について参りました。当業界においても、管理組合、管理会社、それぞれの内部及び相互の局面においてDX化を積極的に推進していかなければなりません。
本年、協会においても、関連各位のご協力を得ながら、マンション管理現場全般のDX化を推進し、管理組合運営と居住する方々の生活に資する活動を力強く進めて参ります。
当協会は、この他にもまた様々な課題に積極的に取り組んで参ります。
事業環境は益々厳しさを増すと思われますが、本年もまた、引き続き協会活動への皆様の一層のご支援とご協力を心よりお願い申し上げるところでございます。
結びに、関係各位の皆様のご健勝、またご活躍をお祈り申し上げ、新年の挨拶とさせていただきます。