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- 2012年夏号
●[防災編] | ① 家具類の転倒等防止対策 |
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② 家具類の転倒等防止対策の留意点 | |
③ 高層階での対策 | |
④ 地震時の行動 | |
●[節電編] | 事例1 電力費が半額になったマンション |
事例2 太陽光システム導入で売電も可能に | |
事例3 最新マンションでは「太陽光+蓄電池」 |
③高層階での対策
高層階では、大規模な地震により発生した長周期地震動の影響により、家具類の移動による負傷危険や、避難障害となる危険があります。これらの危険を防止するために、長周期地震動の特徴や危険性を知り対策をすることが大切です。
(1)長周期地震動の特徴
●海の波のように遠くまで伝わります。
●地震動が終息した後も、建物が数分に渡って揺れることがあります。
●東海・東南海・南海地震などのM8クラスの地震が起こると、都内の50階ビルでは片振幅2mに達する揺れが10分以上継続する可能性があります。
●高い建物の高層階が被害を受けやすい特徴があります。(建物や地域によって異なる)
(2)長周期地震動による室内危険
●高層階では、下層階に比べ揺れが大きくなる傾向があり、家具類の転倒・落下に加え、「移動」が発生します。
●キャスター付きの家具類は特に移動しやすい。(ワゴン、コピー機など)
●家具の移動により、挟まれる、ぶつかることによる負傷や、通路を塞ぐなどの避難障害が生じる可能性があります。
●机などの引き出し付きの家具は、引き出しが飛び出して倒れることがあります。
●水槽などは中の水が大きく揺れ、転倒しやすくな
●ります。吊り下げ式の照明などは大きく揺れて落下する可能性があります。
(3)長周期地震動に対する対策
建物の高層階では、長周期地震動の影響により以上のような危険があり転倒・落下防止対策に加え「移動」防止対策が必要となります。移動防止対策を行ううえで次のことに注意し対策を行いましょう。
㋐日常的に動かす家具類の移動防止対策
●移動時以外は必ずキャスターロックをかけましょう。
●定位置がある場合は、壁面や床面などに固定された着脱式のベルトなどで繋つなげましょう。
㋑日常的に動かさない家具類の移動防止対策
●キャスター固定用の下皿等を設置し、ポール式器具等で転倒防止をしましょう。
●キャスターとアジャスターが設置されている機器は、アジャスターを使用しましょう。
㋒キャスターなしの家具類への対策(壁に接して配置することが困難な家具類)
●フローリングなど固く平らな床面には、床と家具との接触部に粘着式の耐震マットを設置しましょう。
●カーペットの床面では、床と家具との接触部にすべり防止マットを設置しましょう。
東京消防庁では「地震そのとき10のポイント」をまとめました。
地震時は、次のように行動することが大切です。