- 連載
- マンガで事例研究
- 2016.01.04掲載
■だれも住んでいないマンションと適正な管理のマンション
先日、空き家が多くなった越後湯沢のマンションに行ってきました。一時期、スキーをする人でにぎわっていた越後湯沢ですが、
現在ではスキー人口が減り、リゾートマンションの利用が低下していて、すでに誰も住んでいないマンションもありました。
その一方で、日常的な運営の修繕の仕方を見直し、経費を抑える努力をして、しっかりと管理しているマンションも存在していました。
管理がよくないマンションではどんどん人が減り、管理がよいマンションでは新しい入居者を迎え、つねに適正な管理を実行していることがはっきりと分かり、そのことがとても印象的でした。
まさに、「マンションは管理を買え」です。よい管理をするかしないかで、歴然とした差が生まれています。「よい管理」は単にお金を出して手に入れられるものではなく、
管理組合、理事会、区分所有者、それを支える管理会社の方々の努力が必要となるのです。
不在所有者が多いリゾートマンションでも、管理がよいところでは、理事が理事会をきちんと開き、管理状態の把握、特に管理費滞納に対して毅然と速やかに対応していました。
また、管理の状態はニュースレターなどで、所有者に連絡するなど、無関心になりがちな所有者の管理意識を高める努力もしていました。
■より求められる管理組合の対応
最近では、なかなか買い手や借り手がないマンションで、マンションの空き家の1住戸を細かく仕切った脱法ハウスがシェアハウスとして使われるケースも出てきています。
こうしたことから、空き家は使う人がいれば誰でもよい、というわけではないことも認識されてきました。
最近では、2020年のオリンピックに向けて「民泊」が話題になっています。民泊とは、民家に宿泊することをいいますが、使い手と部屋の所有者や運営者が全く顔を合わせることなく、
インターネットを通じての利用申し込みが行われていることが多いようです。
こうした形でマンションの1住戸が使われると、不特定多数の人が頻繁に出入りし、まるでホテルの施設を使うかのように共用部分の施設が利用されてしまうため、住んでいる方々が多くの不利益を被るのではないかと危惧されています。