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  • 2016.01.04掲載

マンションの空き家対策

横浜市立大学国際総合科学部教授 齊藤広子

■近頃、周りの住人が減った?

新しい年だな。それにしても今年の正月は本当に静かだったな。周りの人はいるんだろうか。空き家が増えてきたような気がする。

そういえば、最近、5階の山田さんの姿を見ない。高齢で、エレベーターがないから、階段の上り下りも大変だろう。エレベーターがなくても若い人だったら平気だと思う。でも若者が住んで夜中に騒がれると困るし…。

しかし、毎年もちつき大会は大変だよな。若者が住んでくれて、手伝ってくれると助かるけどなあ…。

■マンションの空き家の実態

マンションの空き家はじわじわと増えているようです。国が約5年に一度行うマンション総合調査(平成25年度)によると、マンションの空き家は平均2.4%で、 昭和44年以前建設マンションでは8.2%、昭和45~49年建設マンションでは5.6%、昭和50~54年建設マンションでは4.7%と、築年数が経ったものが高い傾向にあります。


マンションの空き家率、賃貸率

供給年 平均空き家率(%) 平均賃貸率(%)
~昭和44年 8.2 22.3
~昭和49年 5.6 21.1
~昭和54年 4.7 13.9
~昭和59年 2.8 15.3
~平成元年 2.5 19.2
~平成6年 3.4 19.5
~平成11年 1.4 10.6
~平成16年 1.1 9.1
~平成21年 0.8 9.8
平成22年 1.3 4.4

わが国全体で空き家率が13.5%であることに比べると、マンションの空き家はそれほど深刻にみえないかもしれませんが、賃貸に使われている住戸も含めると、 所有者の不在率は昭和44年以前に建設されたマンションでは平均で約3割、現実にはもっと高いマンションもあります。

平成25年度マンション総合調査より