トップページ > 連載 > マンガで事例研究 > 管理組合の運営 どうしたら関心を持ってもらえるの?
  • 連載
  • マンガで事例研究
  • 2015.10.01掲載

管理組合の運営 どうしたら関心を持ってもらえるの?

横浜市立大学国際総合科学部教授 齊藤広子

■関心をもってもらうには?

管理組合運営に関心をもってもらうための方法を考えてみましょう。その第一歩として「わからない」をなくすことです。私がプロデュースしている管理組合での取り組みを紹介しましょう。

①新しい入居者に管理の説明をする。
「新しく入ってくる居住者の関心が低い」という嘆きをよく聞きます。特に、「賃貸で入居する人が何もわかっていない。平気でマナー違反をする」という声も聞かれます。その原因に、管理のルールを理解していないことがありませんか?

思い出してください。マンションを購入する契約の際に、確かに重要事項説明で、管理の説明を聞いたはずです。しかし、その項目は限られています。規約をぽんと渡されても、何のことだかわからないと思います。まして、賃貸で入居する人の場合は説明される項目も少なく、残念ながら本人の関心も低いと思います。

マンションでは、以下の項目を購入の契約に先立ち、重要事項として説明を受けますが、本当に限定的な項目です。まして、インターネットで「どのマンションがいいかな…」と調べている段階では、管理費と修繕積立金の金額ぐらいの表示で、管理の情報はほとんどわかりません。

●重要事項説明(マンション特有の項目)
(1)共用部分の共有持分
(2)専有部分の使用制限(ペット、リフォーム、楽器の演奏など)
(3)専用使用権(専用庭、バルコニー)、駐車場、駐輪場の規約などの決まり
(4)特定の人の管理費等が安いなどのルールがないか
(5)修繕積立金の金額や累積金額
(6)管理費の金額や滞納状況
(7)管理会社
(8)建物の維持修繕の実施状況の記録 など

ウエルカムパック そこで、私がプロデュースしている管理組合では、ウエルカムパックを用意し、管理の必要な情報はその中にパックして、お渡ししています。

規約なんて難しいものを読みたくないと思いますので、管理のことを説明した絵本のようなものを用意しています。一般的な管理の説明ではなく、この管理組合の管理のルールの説明です。

そして、必ず入居の際には現地管理員が管理ルールの説明を行います。