マンション初のイベント「秋まつり」で、 コミュニティの土台作りを
神戸市西区にある「プラウドシティ神戸西神南」で、2015(平成27)年10月25日、管理組合主催の「秋まつり」が開かれました。この年の3月末に全236戸の入居が完了したばかりで、マンションあげてのイベント開催はこれが初めてでした。雲ひとつない秋空のもと、餅つき大会やビンゴ大会などで、大いに盛り上がった「秋まつり」。管理組合と管理会社が二人三脚で実行したものですが、多くの居住者が思い思いに楽しく過ごせる場となりました。
もちつきやビンゴ大会で、会場は大にぎわい!
秋まつり当日は、まさに秋晴れ。時おり吹き抜けるひんやりとした風に、少し肌寒さを感じる瞬間もありましたが、会場には、終日穏やかな陽光が差し込んでいました。
今回、会場になったのは、同マンション共用施設の目玉の1つである「コミュニティスクエア」と「ママズラウンジ」。ゲートタイプの玄関ラウンジを通り抜けた先にある吹き抜けのパティオが「コミュニティスクエア」で、シンボルツリーの緑を感じながら居住者が必ず行き交うコモンスペースです。そこに併設されているのが「ママズラウンジ」。主に子育て世代が自由に交流できる多目的室内空間として、ふだんはママたちのおしゃべりや子どもたちが遊ぶためのスペースとして活用されていますが、全面開放できる大容量開口が備え付けられていて、それを開け広げることで「コミュニティスクエア」と一体的に運用できるようになっています。「秋まつり」では、この2つの共用部分の特性をフル活用。目いっぱいに開け放たれた「ママズラウンジ」と「コミュニティスクエア」は、まつり会場全体の〝特設ステージ〟に早変わりしました。
午前11時、吉本興業の芸人さんの軽妙な司会でまつりはスタート。「初めてのイベントですが、皆さん、大いに楽しんで親睦を深めていきましょう」と管理組合理事長が続けてあいさつします。会場には大勢の人が詰めかけ、すでに盛り上がりを見せていました。
次にメインイベントの1つ、もちつき大会がはじまりました。石臼を前に大人から子どもまで男性陣がどんどん「つき手」に名乗りを上げるなか、〝高速つき〟を披露した居住者に司会が「お、いい音! けど、しんどいんとちゃうん?」とツッコミを入れると、「しんどい!」という答えが返ってきて、会場は爆笑の渦に。つきあがったおもちは、事前に募集していた餅丸め係の手によってきれいに丸められ、砂糖醤油味やきな粉味など5種類の味つけでふるまわれました。
午後1時頃からは、「ビンゴ大会」も行われました。USJ(ユニバーサルスタジオ・ジャパン)ワンデイパスや家電製品など景品40品目を前に、司会の「ビンゴ、シュート!」の掛け声のたびに参加者は一喜一憂。小さな子どもが見事1等を引き当てたときには、会場全体から歓声と拍手が沸き起こるなど、会場は終始にぎやかで活気に満ちあふれていました。「マンションの中で遊べるのが楽しい」「ビンゴが面白かった」と参加者も笑顔を見せていました。
なお当日は、プログラムのもちつきとビンゴ大会以外にも、まつりの運営に携わったイベント運営会社(※1)がスーパーボールすくいと射的の屋台を出店し、おまつり気分を盛り上げるのにひと役買っていました。
初めての「秋まつり」は、大成功
後日、管理組合がまとめたアンケートの中間集計では、参加者数は大人176名、子ども92名の計268名で、全236戸のうち半分弱の参加であることが分かりました。「秋まつりは楽しかった?」という質問には、8割強が「楽しかった」と回答、「まあまあだった」という回答とあわせ、ほぼ全員がイベントを楽しんだという結果となりました。また、事前に心配されていた周辺からのクレームなどもなく、初めてのイベントは成功裡に終了しました。
今回の秋まつり開催のきっかけについて理事長は、「2015(平成27)年6月に行われた管理組合第1回総会で、管理会社(※2)の担当者から“コミュニティをいかに上手に形成できるかが大事”というアドバイスを受け、まずは秋まつりを行うことにしました」といいます。同年8月の理事会で秋まつりの実施を最終決定し、プログラムについても「まつりの運営を担当したイベント運営会社からはいろいろな提案を受け、その中で餅つき大会が盛り上がるということで決めました」とのこと。イベント運営会社との打ち合わせにも管理会社の担当者が立ち会ってくれたので、管理組合側が運営などでさほど苦労することもなく、その分理事たちは、受付やビンゴ会場、もちつき会場など当日の現場管理などの仕事に専念できたそうです。
今後の課題は、交流イベントの定着
最近の大型マンションでは、当初から交流イベント開催のための予算を組んでいる例が多く、「プラウドシティ神戸西神南」も同様でした。約90万円の当初予算に対し、今回の秋まつりでは実費が55万円となり、思いのほか予算が余りました。
理事長は「私の任期が終了する6月の総会までまだ少し期間があるので、この余った予算で何か小さなイベントができないか、理事会で提案してみるつもりです」との考えを明かしてくれました。
管理組合の役員体制は任期1年の輪番制。次年度以降、体制が新しくなる理事会がどう引き継ぐか、新理事会がどう対応するかなどに流動的な部分があるのも否めません。この秋まつりのような交流イベントを、いかに定着させられるかが今後の課題にもなりそうです。
今回の秋まつり終了後のアンケートでは、次に希望するイベントとして「クリスマス会」「ゼロ歳児のパパ・ママが集まる会」「豆まき」「ひなまつり」「ハロウィン」など様々な意見が寄せられているそうです。また、「意見箱のようなものを設置しているので、居住者の方々からイベントについても要望が出てくるでしょう。それを次の理事の方が取り上げて検討していくことになると思います」と理事長は説明します。続けて、「今回の秋まつりでコミュニティの土台が作れたのではないでしょうか。私たち理事もやる気に満ちていましたし、居住者の方も積極的に参加してくれました。このイベント後は「ほかの居住者と交流しやすくなった」という声も上がっているようです。今後も居住者同士をつなぐことのできるイベントを実施できるよう、みなさんの意見を取り入れ、管理会社の継続的なサポートも受けながら、コミュニティのこれからのあり方を模索していきたいです」とマンション初のイベントを終えての感想を話してくれました。
(※1)ヤマトホームコンビニエンス(株)
(※2)野村不動産パートナーズ(株)
- 建物名:プラウドシティ神戸西神南
- 所在地:兵庫県神戸市
- 階数 :10階建て・3棟
- 総戸数:236戸
- 竣工年:2015(平成27)年
- 管理形態:委託管理
- 管理会社:野村不動産パートナーズ(株)
- 総会開催:毎年6月
- 役員数 :理事8人
- 役員任期:1年