住民同士の気軽な交流の場――「ぱーくcafe」
築30年以上経過した「パークシティ溝の口」では、居住者の高齢化が進んでいます。マンションの将来を考えたとき、総会のみではなかなか居住者の意見が集まらない、反映できない、若手の管理組合理事のなり手がなかなかいない、などの声が挙がりました。
これら課題にどう対応していくか――。2012(平成24)年に同マンション管理組合では、老朽化施設の検討と30年後を見据えた各種提案を行う「グランドデザイン委員会」を立ち上げていましたが、住民アンケートの結果や「もっと敷居を低くして、より多くの住民から声を集めていこう」との機運が高まったことから、住民がさまざまな形で交流できる場を設けるべく、2013(平成25)年に「ぱーくcafe」をスタートしました。
大盛況の秋祭り!
2013(平成25)年4月26日、「ぱーくcafe」第1回目となるワークショップ「パークシティの好きなところ」を開催しました。第2回は築30年以上経過している“先輩マンション”「サンシティ」(東京都板橋区)の事例勉強会を行い、第3回は「あったらいいなアイデアスケッチ」として居住者から幅広くグランドデザイン案を募集しました。
2014(平成26)年6月からは活動を本格化、2カ月に1度、E棟特設カフェでマンション内外の人たちとの交流会を実施しています。
同年10月には「ぱーくcafe in 秋祭り」として、同マンション恒例の秋祭りに参加。学区の子ども達による「青空コミュニティカフェ」とパネルディスカッションの2本柱で、子ども店員によるカフェコーナーではパンケーキ200個を売り上げるほどの大盛況となりました。パネルディスカッションは、「ご近所マンション同士の関係づくり」と題し、同マンション理事長と近隣大型マンション「メイフェアパークス溝の口」(築14年)、「ザ・タワー&パークス」(築8年)から最も多い居住者世代からの代表者を招き、①施設の特徴②居住者層③高齢化④マンションの連携――などについて意見交流を行いました。
共同イベントで、さらに地域を盛り上げよう!
パークシティ溝の口は築30年以上経っているにも関わらず、その立地の良さから竣工時の入居者(購入者)が多く、60代以上の世帯が6割を占めていることから、施設に加え居住者の“高齢化”は深刻な問題となっています。
一方、若手世代が多い「メイフェアパークス溝の口」、「ザ・タワー&パークス」では、小学校での天体観測イベントや音楽活動を通じた交流会など、子どもを中心としたイベントを積極的に開催しているとのこと。相互の取り組み事例を紹介しながら、マンションや地域組織、施設間の連携についてのイメージを膨らませていった結果、従来から取り組んできたお祭り時の器具の賃借に加え、「人や場所、知見の交流を活発にしていくことが重要」との意見で一致しました。具体的には、①各マンション・地区の備品(機材・器具など)をリスト化し、通常時でも貸借し合う②3マンションによる合同イベントの開催――などのアイデアが持ち上がりました。
「ぱーくcafe in 秋祭り」を機に、やってみたい連携として「商店街も含めた3マンション+αの共通イベント」「町内会と連携した各種イベント(天体観測、音楽など)」「パークシティ溝の口敷地内での共同菜園」なども提案されました。
世代間交流にも期待
グランドデザイン委員会では今回の「ぱーくcafe」イベントを通じ、新たな交流のきっかけを模索し始めました。3マンション共催や子ども達を中心としたイベントで高齢世帯を巻き込めば、宅内にこもりがちな高齢者に交流の場を提供できる上、イベントを通じた世代間交流も活発になると見込んでいます。また、パークシティ溝の口居住者の子ども世代が前出の2マンションに多く住んでいる点も、今後の連携に向けた心強い土台。相互交流による新たなアイデアの創出で、より具体的な「グランドデザイン」を描いていくとともに、マンション内外と連携し「住みやすい街づくり」を目指していく方針です。
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そんなパークシティ溝の口管理組合のホームページはこちら⇒http://www.mizopark.com/
- 建物名:パークシティ溝の口
- 所在地:神奈川県川崎市
- 階数 :15階建て・4階建て 計12棟
- 総戸数:1,103戸
- 竣工年:1982 (昭和57) 年
- 管理形態:委託管理
- 管理会社:三井不動産レジデンシャルサービス(株)
- 総会開催:毎年6月
- 役員数 :理事9人、監事2人(住棟委員30人、住棟監事2人)
- 役員任期:1年(半数はさらに1年継続し、計2年となる)