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居住者の目を楽しませる「ギャラリー」を設置

マンションのエントランスは、毎日たくさんの居住者が行き来する場所です。数多くのあいさつが交わされ笑顔が行きかうエントランスに、居住者の目を楽しませ、コミュニケーションを促すギャラリーをつくり、運営しているマンションがあります。

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ギャラリーでマンション内の交流を深めたい

田端スカイハイツのエントランスの壁には、展示用のボックスが備えつけられています。絵画や写真など居住者の作品を飾る展示ボックス。居住者から親しみを込めて「ギャラリー」と呼ばれるこのボックスは、管理組合の提案で設置されたものでした。

築34年を迎えた田端スカイハイツは、自治会活動が活発なマンションです。春と秋に行われる園遊会、75歳以上の居住者を招く「長寿を祝う会」、近隣住民も参加する春のさくら祭りや夏の納涼まつりなど、様々なイベントのほか、サークル活動も盛んです。

なかでも田端スカイハイツの名物といえるのは、東と西にある2つのエントランスに設けられたギャラリー。季節ごとの飾りつけや展示で、毎日エントランスを行き来する居住者の目を楽しませています。

ギャラリーができるきっかけとなったのは、2000(平成12年)に行われたマンションの20周年記念行事でした。駐車場の車を移動してできたステージで和太鼓や琴、バンド演奏などが行われたほか、売店や宴会場、茶席などが設けられた盛大なものでしたが、その中に芸術展示コーナーがあったのです。

当時の管理組合理事長は、展示されていた居住者の素晴らしい作品の数々を見て、「マンション内にギャラリーをつくって、みんなの絵や写真を展示してもらえばマンション内の交流がもっと深まるのではないか」と考えました。また、マンションの顔ともいえるエントランスにギャラリーがあることで、特徴のあるマンションとなるのではないか、とも思ったそうです。

早速、理事会の承認を得て、2003(平成15)年に展示ボックスが完成。しかし、誤算が2つありました。一つは説明が不十分だったため、組合員から否定的な意見が相次いだこと。もう一つは居住者からの絵画や写真の応募が思ったほどなかったことでした。

そこで管理組合は「ギャラリー委員会」を設置。展示方法を検討し、①絵画や写真等を広く募集して展示する、②管理組合の報告展、防災防犯展など居住者の啓蒙活動に利用する、③サークルなどのグループや催し物の作品の展示、④クリスマス、年頭など季節の展示といった内容とすることにしました。

子供に人気の「夏休み工作教室」

現在は、管理組合の理事4名と自治会役員4名、さらに絵や工作などを得意とする居住者10名でギャラリー委員会が運営されています。展示の変更は、クリスマスや正月など短期間のものを除いておよそ90日ごと。年間で7~8回展示物を入れ替えています。

展示以外の活動としては、毎年夏休み時に2日間「夏休み工作教室」を主催しています。居住者の中で建築現場に勤める人から毎年木の切れ端などの残材をもらい、その他絵具や段ボールなどを持ち寄って、子どもたちに工作をしてもらおうというものです。

会場は集会室。「工作教室」といってもつくり方を教えるのではなく、ギャラリー委員が数名付き添い、子どもたちの要望に応じて木を切ってあげます。あとは、子どもたちがそれぞれ自由な発想で作品を完成させるのです。夏休みの宿題対策として子どもやお母さんたちから人気で、毎年のべ30名ほどの参加があります。

もちろん、工作教室でつくった作品はギャラリーに展示され、居住者の話題の的になっています。華やかなクリスマス展示も子どもに大人気。「毎年楽しみにしています」と居住者から声をかけられることが一番うれしい、とギャラリー委員の方が話してくれました。

概要(取材年月:2014年11月)
  • 建物名:田端スカイハイツ
  • 所在地:東京都荒川区
  • 階数 :11階建て等・7棟
  • 総戸数:423戸
  • 竣工年:1980(昭和55)年
  • 管理形態:委託管理
  • 管理会社:(株)長谷工コミュニティ
  • 総会開催:毎年6月
  • 役員数 :14名(理事12名、監事2名)
  • 役員任期:2年(理事の留任は妨げず、輪番制を採用)