マンション居住者が一体となって、楽しみながら学べる防災イベントを開催
NPO法人プラス・アーツは、「まちづくり」「防災」「福祉」「教育」「環境」「国際協力」の分野においてアート的な発想や創造力を導入し、課題や問題を解消して再活性化させることを目的とした組織です。
そのうち「防災」の分野では、“楽しみながら防災を学ぶ”をテーマに考案したイベント「イザ!カエルキャラバン!」を実施しています。震災時に必要な知恵や技を身につけてもらうことが目的です。
イザ! カエルキャラバン! プログラムの流れ
2014(平成26)年2月、東京都内のあるマンションで、「イザ!カエルキャラバン!」が開催されました。総戸数380戸、30歳代後半から40歳代前半のファミリー層やシニア層などが多く暮らしているマンションです。
実施の目的は、「マンションにおける防災訓練の活性化」と「マンション住民の防災意識向上」。管理組合、所在地の行政との協同事業です。
居住者の要望とスタッフの人数を考えて、今回は6つの体験プログラムを用意しました。
1.持ち出し品なぁに?クイズ…災害時に備え、各家庭で用意してほしい防災グッズを覚える暗記クイズ
2.紙食器づくり…水が不足する避難生活で役立つチラシや新聞紙を折ってつくる紙食器。今回は作った紙食器にビニール袋をかけて、炊出しの非常食試食に使用。
3.非常用トイレワークショップ(非常用トイレってどんなもの?)…災害時のトイレの重要性とともに、非常用トイレの使い方を紹介。
4.防災カードゲーム「なまずの学校」…地震の際発生する様々なトラブルを、手持ちのカードを使って解決するカードゲーム。
5.地震シミュレーター…地震の大きな横揺れを再現する「地震 ザブトン」に乗って、地震の種類による異なる揺れを体感。
◎かえっこバザール
1~5の防災プログラムなどに参加してもらえるポイントを使う、お金を使わないおもちゃの交換会
各プログラムはマンション敷地内のいろんなところで実施、参加者は自由に回ります。子どもはまず、受付に持参したおもちゃを預けます(おもちゃがなくても受付可)。次に、プログラムを体験して、ポイント券をもらいます。ポイントはプログラムごとに異なります。たまったポイントは、おもちゃの交換会でほしいおもちゃと交換することができます。イベント終了30分前にはおもちゃのオークションを開催します。ここでも持っているポイントで、ほしいおもちゃをセリ落とします。
マンション防災備蓄品を“見て、触って、再確認”
あわせて「防災備蓄品見学ツアー」も開催。マンションに設置されている備蓄倉庫を見学し、防災備蓄品の確認をします。そのうち簡易担架と非常用簡易トイレの使い方を実演しました。その後は、避難場所の説明をして再確認してもらいます。最後に非常食等の防災グッズを参加景品として配布して、無事ツアー終了です。
準備にはマンション居住者も参加
準備は4カ月前から開始しました。参加したスタッフは総勢34名、そのうちマンション居住者23名からの協力を得ることができました。多数のプログラムの準備をするため、たくさんの人手が必要だったのです。プログラム決定から担当割、道具の用意・広報活動まで、打ち合わせを重ねて少しずつ運営準備を進めました。マンションの設備や居住者層などを考えて、現場にあったプログラムを選択し、さらにアレンジをくわえました。今回はマンションの備蓄品を出して実際に使ってみる、という試みを取り入れました。
イベントを終えて
今回の「イザ!カエルキャラバン!」の参加人数は、子どもと大人あわせて約180名でした。子供たちがやってみて興味をもったプログラムは紙食器づくり、大人からは、防災備蓄品見学ツアーで「実際に防災備蓄品を見ることができてよかった」という声があったとのこと。また、管理組合からは今後もこのイベントを定例化していきたいという意見が聞かれました。
- 建物名: -
- 所在地: -
- 階数 : -
- 総戸数: -
- 竣工年: -
- 管理形態: -
- 管理会社: -
- 総会開催: -
- 役員数 : -
- 役員任期: -