毎年1月には、居住者交流の「もちつき大会」を開催
東京都品川区に位置するマンション、パークホームズ武蔵小山管理組合では毎年恒例行事として、「もちつき大会」を開催しています。毎年実施されるようになった経緯についてお話をうかがいました。
管理組合設立後3年目に、居住者交流イベントの開催が決定
毎月1回は定例理事会を開いて、1カ月の間の管理状況の報告や今後の予定、提案された議題について話し合いを行っています。2011(平成23)年11月理事会での議題が、居住者の交流イベントの開催についてでした。管理組合では、これまで一度も居住者交流のためのイベントを実施したことがありませんでした。
話し合いの中で、理事のひとりから「もちつき大会の開催」が提案されました。その場で理事長がマンションテナントの精米店オーナーに連絡して協力を求めたところ、大人用と子供用の杵と臼を所有していてそれらを貸し出すこと、またもち米の調達も可能と、快諾してくれました。こうした好条件が揃い、「もちつき大会」の実施が即決されました。
ボランティアスタッフの協力を得て短期間で準備
副理事長が中心となり、理事長とボランティアスタッフ約10名で準備が始まりました。
もちの味つけは、あんこ・きな粉・大根おろしに決定。もちのほかに豚汁も作ることになりました。役割分担を決めて必要な材料と量をリストアップし、あんこ5kg・きな粉2kg・大根5本・醤油2リットル、豚汁用のお肉や根菜類、味噌などの材料と割り箸や紙皿、紙コップと飲み物も準備しました。もち米は精米店オーナーが用意してくれました。
12月に入り、掲示板に貼り出したり、エレベーターホールに案内板を立てたりして、居住者へもちつき大会開催を知らせました。
大人から子供まで、居住者50名が参加
2012(平成24)年1月もちつき大会が開催されました。集合時間は、お昼ごろに食べられるようにとスタッフは9時30分、参加者は11時30分に設定。会場は、地下1階の集会室と隣接しているデッキです。子供から大人まで約50名が参加しました。
当日は精米店が定休日なので、店内奥にあるキッチンを借りてもち米を炊き、豚汁の用意もします。集会室には汚れないように大きなブルーシートを敷き、作業用と食べるときのためのテーブルを設置し、道具や食器類を並べます。デッキに臼と杵を置いて準備完了です。
炊き上がったばかりの熱々のもち米が臼の中に入ると、副理事長の掛け声で、理事長がもちをつき始めました。その豪快な姿に子供たちは目を見張るばかりです。理事長と副理事長が交替でもちをつき、途中でつき手を子供たちにバトンタッチ。子供たちが順番にもちをついていくと、最初は米粒だったのがだんだん滑らかになり、もちに変わっていきます。
つき上がったもちを集会室のテーブルへと運びます。もちをちぎってひと口大に丸めて、あんこ・きな粉・大根おろしから好みの味を選び、もちにからめて食べます。ボランティアスタッフが作った豚汁もでき上がり、参加者たちに振る舞われました。
好評のため、毎年恒例行事に
子供たちは「楽しかった、おいしかった」との感想を、親たちも「日本の伝統行事に子供たちが接するよい機会」また「居住者の顔と名前がわかるようになってよかった」と好評だったため翌年も開催され、毎年の恒例行事となりました。年々参加人数が増えて、昨年の第3回もちつき大会では約100名に達しました。
もちをつくという動作は、結構体力を消耗します。そのため大人のつき手が最低10人は必要となります。つき手は多ければ多いほうがいいので、事前に父親たちに声を掛けておき、つき手を確保しておかなければなりません。
参加者より参加費500円を集めて、不足分は管理組合が補完しました。道具はご厚意で一式借りることができたので、低予算で実施することができました。毎年開催するためには低予算でできるということが前提ですが、共用部分にもちをつける場所があるというのも大きな理由です。
- 建物名:パークホームズ武蔵小山
- 所在地:東京都品川区
- 階数 :地上19階 、地下1階
- 総戸数:278戸
- 竣工年:2008年(平成20年)
- 管理形態:一部委託
- 管理会社:三井不動産レジデンシャルサービス(株)
- 総会開催:毎年11月
- 役員数 :9名
- 役員任期: -