多士済々の作品展示、30年以上続く文化祭
なぎさニュータウン(東京・江戸川区)は、江戸川沿いに立ち並ぶ全7棟の大規模団地です。同団地自治会は、2014(平成26)年11月1日、2日の日程で、30年以上続くイベント「なぎさ文化祭」を開催しました。
玄人はだしの作品から小学生の書道まで
2日間にわたり居住者らの作品展示や、無料体験教室などを実施。会場となった団地中央に位置する管理棟の大ホールには、延べにして400名以上が来場し、玄人はだしの風景写真から小学生の書道まで、幅広い作品群を楽しみました。
作品は、書道、絵画、写真、手芸、あみもの、洋裁、パッチワーク、絵手紙、陶芸、生け花、刺繍、トールペインティングなど、多岐にわたります。一度に200名を収容できるホールの壁をぐるりと取り囲むように作品を展示、中央付近には椅子に座ってひとやすみできる「休み処」と、色鮮やかな生け花を配置しました。
出展者は基本的に同団地の居住者で、名乗りを上げたのは10グループと21名の個人。セミプロともよべるようなレベルの高い作品が多数並びました。
さらに、管理棟小ホールでトールペインティング、屋外のウッドデッキで野点の無料体験を行いました。
また、自治会は、周辺地域との交流も重視しています。「マンション内のコミュニティはすでに成熟期に入っています。今後は、外部と連携していくことがより重要になってきます」(自治会長)。会場には特別コーナーとして、周辺の南葛西町会の展示スペースを設けました。おかげで団地外からも、2日間で56名の来場者があったそうです。
自治会、出品者らが準備で協力
事前準備や当日の運営などは、自治会の文化部が担当。前日に行われた会場設営や作品搬入、ディスプレイなどは、同部員のほか、出展者、自治会事務局、さらにボランティアの手も借りて行われました。
管理棟のホールには絵画などを展示するためのピクチャーレールや、スポットライトなども備え付けられています。それらの設備は自治会からの要望を受け、数年前に管理組合が設置してくれたのだそうです。以前は、区から展示用パネルを借りてきたこともあれば、集会室のホワイトボードに白い布をかけてパネル代わりとするなど、苦労をされたそうです。テープや接着剤などといった細かな備品代や、体験教室の材料費などは自治会費で賄いました。作品の額装は、出展者に自ら用意してもらいました。
参加者アンケートによると、「友人とくつろぎながら文化祭を楽しみました」「(ほかの居住者の)隠れた才能に驚いた」などといった声がきかれました。
居住者が顔見知りになることがなにより大事
「なぎさ文化祭」がはじめて開催されたのは、団地の入居開始から間もなくの1979(昭和54)年のことでした。周辺の開発が進んでいなかった当時の様子を振り返り、「まるで荒野の砦のようだった」(自治会長)といいます。買い物もままならないような環境のなかで、「住民の交流を深めることが何より大事。イベントを実施し、参加することで、居住者同士が顔見知りになることができた」(自治会長)。その言葉通り自治会は、桜祭り、こいのぼり(子ども祭り)、納涼祭、文化祭、もちつき、新年の顔合わせ会――など、毎年多くのイベントを開催しています。
自治会活動の中でもっとも重要なのは、人を集めることだと自治会長はいいます。現在、自治会への加入率は約7割で、全1,324世帯中、950世帯ほどが参加しています。「たくさんの人を集められれば、そのなかには様々な才能や経験を持った人たちがいます。そんな皆さまのお力を借りながら、これからもコミュニティ活動に取り組んでいきたい」(自治会長)とのことでした。
- 建物名:なぎさニュータウン
- 所在地:東京都江戸川区
- 階数 :13階・14階建て
- 総戸数:1,324戸
- 竣工年:1977(昭和52)年
- 管理形態:一部委託
- 管理会社:日本建物管理(株)
- 総会開催: -
- 役員数 :18名(自治会)
- 役員任期:2年(自治会)