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高層マンションで下町が活気づく!情緒あふれる人形町の、住人たちの心意気【後編】

人形町一丁目の高層マンション、リガーレ日本橋人形町。前編では人形町の再開発事業と町会とのかかわりについて紹介しました。今回は、マンションも大きく関わる「神田祭」や四季折々のイベントの話を交えながら、活気あふれるマンションの様子をレポートします。

各種イベント

江戸三大祭り「神田祭」が盛大に開催。マンション前に神輿が……

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5月中旬になると、人形町の界隈は慌ただしくなります。山王祭や深川祭りと並んで江戸三大祭りのひとつに数えられる神田祭の時期がやって来たのです。神田明神の氏子である人形町一丁目に神社を擁するリガーレ日本橋人形町は、場所の提供だけでなく会場の設営などにも尽力しています。

 

この祭りのためだけに組織される祭典委員会があります。町会長を委員長とする40名ほどの組織で、10社ほどの企業も参与となります。鈴木さんをはじめとするリガーレ日本橋人形町の管理組合からもこの委員会に人員を出し、右に左に動き回りました。賃貸で住んでいるマンション居住者も、神輿を担ぐなどしてこの大規模なお祭りを楽しんだそうです。

 

「人形町一丁目は“人壱”(にんいち)。はっぴの背紋にもそう書いてあるし、実はリガーレのマークにもその文字をあしらっているんです。祭礼の世界では“一”という数字は責任が重いということ。我々は一丁目を背負った以上、しっかりと祭りを遂行しないといけないという使命があります」と鈴木さんはいいます。200もの団体から寄付が集まり、それをたった数日で使い切る、という大きな祭り。それを滞りなく遂行させる、という重責をある意味マンションが担っているわけです。

 

イベント好きな町人気質。管理組合の取り組みも

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神田祭の神輿が町を練り歩く土曜日には、人形町一丁目町会で「こどもまつり」を開催しました。会場はリガーレ近くのお祭り広場。スーパーボールすくいや輪投げなどのアトラクションのほか、焼きそばや唐揚げなどの出店も軒を連ねます。150人近い人出の中、こどもみこしも繰り出して、祭りの雰囲気は最高潮。いなせにはっぴを着こなした大人たちだけでなく、子どもたちにとっても思い出深い一日となったことでしょう。

 

「このあたりの人はみんな大のお祭り好き。老舗の飲食店も多いから、炊き出しなんか毎回中身が違って凝ったものばかりで、人が少し集まって何かやっていると『どれどれ』なんていってみんな集まってくる。そういう町です。町会や神社、管理組合も含めて、毎月1つか2つは必ずイベントがありますよ」と鈴木さんはいいます。

 

先日も、八十八夜に茶ノ木神社が主催する献茶祭がありました。式典後には日本茶インストラクターが日本茶の淹れ方を解説するミニ講座や新茶試飲コーナーも設けられました。また、管理組合でも6月中旬の七夕飾りつけ会や11月中旬のクリスマスツリー飾りつけ会を毎年開催。マンションのエントランスホールに飾る笹の葉やモミの木に子どもたちが思い思いに飾りをつけるイベントです。

 

毎年9月には「人形町ワンコイン落語会」と題して、店舗棟のコミュニティルームを会場とする寄席を開催しています。以前は寄席があり、落語の町でもあった人形町。そんな縁で、いつも同じ噺家さんに来てもらい、昨年で8回を迎えました。ワンコインというだけに、会費は1人500円。100名の定員ですが会場は毎回盛況で、これを楽しみにしている居住者もいるそうです。

 

さらに、毎年2月に開催される東京マラソンでは、東京都が主催するランナー応援イベント「マラソン祭り」が都内各所で開催されましたが、リガーレ日本橋人形町の屋外イベントスペース、フロントプラザもその会場のひとつとなりました。参加団体のパフォーマンスが繰り広げられたほか、茶ノ木神社では温かいお茶の無料サービスもあったということです。 

 

高層マンションとなって機能は更新されても、つながり続ける町

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地元町会とマンション居住者は、町会への加入から会費の徴収、人員の拠出など様々な場面で意見が食い違う場面も多いものです。町会は昔から地域に根付き、発展を担ってきた人たちが中心となって運営しているのに対し、新しく入居したマンション居住者は地域との関わりがまだ浅く、話がかみ合わないことがあるのも致し方ないことです。暮らし方、価値観の相違もあるのかもしれません。

その点リガーレ日本橋人形町では、ずっと地域で育ってきた人たちが居住者として管理組合や町会に関わり続けることで、その問題を難なく解決しています。「防災訓練や町会のバスハイクには大勢の新住居者が参加しますし、祭りの際はお囃子にも加って、みんなでイベントを盛り上げます」と鈴木さん。そこにはきっと、新旧の居住者たちが垣根を感じることなく交流できるような、下町ならではの雰囲気が自然に流れているのでしょう。

 

「勉強会から20年以上経って、私の同級生たちの親世代だった初期のメンバーはほとんどが物故者となってしまいました。私の父親はこのマンションで看取ることができたけど、建物の完成を待たずに亡くなった方もいる。みんな江戸っ子気質の粋な人ばかりで、町を盛り立てようという気概も強かった。私は子世代としてマンションと町の行く末を託されたようなものです」と語る鈴木さん。モダンな超高層マンションとして町の機能は更新されましたが、町を大事に思うその心意気はずっと継承されていくことでしょう。

 

 

 

☆☆☆

次回は「日本橋人形町の防災を担う 超高層マンションと町会の取り組み」をご紹介します。

 

To Be Continued.

概要(取材年月:2017年05月)
  • 建物名:リガーレ日本橋人形町
  • 所在地:東京都中央区
  • 階数 :39階建て
  • 総戸数:335戸
  • 竣工年:2007(平成19)年築
  • 管理形態:全部委託
  • 管理会社:鹿島建物総合管理(株)
  • 総会開催:6月
  • 役員数 :12名
  • 役員任期:1年(再任を妨げない)