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区と管理組合が支え合う 中央区の分譲マンション管理組合交流会

管理組合の理事を任されると、わからないことだらけ。「他のマンションではどうしているの?」と思っても、なかなか相談する相手が見つからずに困っている人も多いものです。そんな時、住んでいる市区町村に問い合わせをしてみるといいかもしれません。管理組合同士で交流をしている団体を紹介してくれる可能性があるからです。今回は、中央区の「分譲マンション管理組合交流会」の様子をレポートします。

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区と連携した管理組合交流会

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3月某日、東京の都心にある中央区役所で、「中央区分譲マンション管理組合交流会」(以下、管理組合交流会)が開催されました。

管理組合交流会は、分譲マンションで暮らす中で生じる様々な問題について、同じような悩みを抱える人たちが情報交換をし合う場として2003(平成15)年に設けられました。分譲マンションの管理組合の代表者として入会する団体会員のほか、分譲マンションの役員や区分所有者も個人会員として入会することが可能で、会費は無料。現在中央区にあるマンション管理組合約850のうち、90ほどの登録があるとのことです。

全国にある管理組合交流会の中にはマンション管理士会などが主催しているものもありますが、こちらは中央区都市整備公社(以下、公社)と連携を図って運営しています。公社は管理組合交流会の事務局として様々な資料の作成や配布、連絡業務などの事務を行うなど、交流会を支援しています。

主な活動内容は、3月の定期総会のほか、交流会が年3回、役員会が月1回、公社と共催する管理セミナーが年3回。交流会やセミナーではマンション管理士などの講師を呼んで講演会を行っています。また、交流会やセミナーの後は参加者で、分科会や座談会などの意見交換会を行っています。

時流に沿ったテーマの講演会と分科会

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この日は、ちょうど第14期の定期総会と第41回の交流会が開かれていました。交流会は、まずマンション管理士による講演会、その後3班に分かれて分科会、最後にまた一堂に集まって発表・マンション管理士による講評、という流れになっています。参加人数は役員等を含めて30人以上、そのほかにアドバイザーとしてマンション管理士3名です。

総会が滞りなく終了し、マンション管理士による講演会が始まりました。テーマは今話題の「民泊」。外国人観光客も多い中央区にあるマンションとしては、切実なテーマです。折しも、民泊に関する法案「住宅宿泊事業法案」が閣議決定されたばかり。最新の情報を交えながら、民泊の実態、管理組合としてどのような姿勢で臨むべきかなど、具体的なアドバイスとともに詳しく解説してくれます。

続いては分科会となります。事前に分科会で話し合いたいテーマについて参加者にアンケートを募り、それをもとに班分けをしていました。各班にはアドバイザーとして1人ずつマンション管理士も参加し、活発な意見交換が行われました。

例えば、大規模マンションが多い3班では、やはり民泊についての意見や質問が出ました。最大50戸という小規模マンションがほとんどの1班は、管理組合の活動に無関心な居住者が多く、理事のなり手がいないこと、管理費のやりくりが難しいことなどがやり取りされました。中規模マンションの多い2班では、高齢化する居住者への対応や町内会とマンションの関係などそれぞれのテーマで話し合いが行われていました。

印象的だったのは、マンション管理士のアドバイスだけでなく、参加者からも「私たちのマンションではこうしている」、「もっとこういうことをすればどうか」といった具体的な話が交わされていたことでした。マンションが抱える問題はまさに十人十色。全く同じケースなどないものですが、参加者からは「こうして先輩理事の方から色々な話が聞ける場があるのはありがたい」といった感想も聞かれました。意見交換によって都心のマンションの様々な問題が浮き彫りになるとともに、多角的にマンションのあり方を考えるよい機会にもなります。問題を解決するための手助けとなるという管理組合交流会は、管理組合の理事にとって、とても心強いものになっているようです。

マンション居住者が9割を占める区の手厚い支援

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一方で、中央区は、月島や人形町など、昔ながらの下町を擁しながらも、早い時期からマンションの建設が進められてきたことや、最近では高層マンションが次々に建ち始めるなど、今では区の人口の9割がマンション居住者ということもあって、区や公社が様々な形で分譲マンションの支援事業に乗り出しています。

例えば、マンション管理の相談やマンション管理士の派遣、会員制ウェブサイト「すまいるコミュニティ」の運営。マンションに関わる様々な費用を助成する制度としては、計画修繕の調査費や共用部分の改修費のほか、共用部分のリフォームローン保証料、耐震診断や耐震補強工事費の助成などを行っています。

区にとっても、全人口の9割を占めるマンション居住者への施策は、重要な事業です。自治体とマンション管理組合とが協働することは、今後もよりよい街づくりに欠かせないものとなっていくことでしょう。

概要(取材年月:2017年03月)
  • 建物名:中央区分譲マンション管理組合交流会
  • 所在地:事務局:一般財団法人 中央区都市整備公社まちづくり支援第一課
  • 階数 : -
  • 総戸数: -
  • 竣工年:設立:2003(平成15)年
  • 管理形態: -
  • 管理会社: -
  • 総会開催:3月
  • 役員数 :8名+監事1名
  • 役員任期:1年