財政部門
(組合財政の健全化)
佳作
マンション設備見直提案による
支出の削減
株式会社長谷工コミュニティ 関西長期修繕計画部
佐藤みずほ様
※イメージ写真
背景
- 約150戸のファミリーマンションです。当時築27年の某マンションは2回目の大規模修繕工事を終えたばかり。新たな長期修繕計画を確認したところ、第3回目の大規模修繕工事の際に修繕積立金が不足する見込みであることがわかり、修繕積立金の改定を行いました。
- 値上げを検討した際の意見交換会やアンケートなどで、居住者の方々から「マンション居住者の高齢化が進んでいるので、今後費用負担が増えるのは厳しい。管理費・修繕積立金会計ともに支出の削減の検討を行ってほしい」という声が多数挙がっており、長期的な目線での支出の削減が課題となっていました。
目的
- マンションの全体的な支出の削減
実施内容〈バリューアップ〉
次の2点について改善提案を行いました。
給水方式の変更
修繕積立金から費用を捻出し、高置水槽方式から加圧給水方式への変更を行いました。それによって、経常的に発生する高置水槽の清掃が不要となり、メンテナンス費用の削減に。また、今後の修繕計画で見込んでいた高置水槽を維持・交換する費用も削減できました。
揚水ポンプ(左)から加圧ポンプ(右)への変更
電子ブレーカーの導入
電子ブレーカーを導入することで、電力会社との契約内容を変更し、電気基本料金の削減につながりました。
結果
- 高置水槽が不要となったため、修繕計画上の金額が30年間で約1000万円 削減できる予測となりました。 また、年間の電気代と高置水槽清掃費用の削減で管理費会計の支出が年間約20万円の削減となりました。
- その後も理事会で検討を行い、共用部照明のLED化の実施や省エネタイプのエレベーターへの更新により、電気代は検討当初と比較して年間20%削減されました。
※イメージ写真
苦労した点・工夫した点
- 設備の改善を実施することによるメリットを伝えるため、誰もが分かりやすい資料を作成。ご理解をいただくことがポイントでした。
- 工事により断水や停電が発生するため、事前周知を念入りに行いました。さらに、万一断水してしまった事態に備え、集会室に水の用意を行うなどの準備を実施。居住者様の安心感の構築に努めました。
居住者の声
- 工事提案時の理事会及び工事説明会において、更新時期になっている既存設備を単純に同一設備に更新するのではなく、給水方式を変更することで今後30年間の修繕積立金や水槽の維持管理費の減額につながることを説明し、評価を得られました。