財政部門
(組合財政の健全化)
佳作
管理費等の増税に伴う自動変更
株式会社長谷工コミュニティ
志和木裕様
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背景
- 消費税は0%⇒3%⇒5%⇒8%⇒10%と変遷を遂げてきました。特に、2014年4月に8%、2019年10月に10%と短い期間で値上がりした時は、管理組合にもかなりの混乱がありました。
- 築30年以上のマンションの収支計画は、消費税のなかった時代による設定です。消費税が上がるたびに、どのマンションも支出を切り詰めるなど努力を重ねて管理費等の変更を避けてきましたが、昨今は限界を感じています。
目的
- 消費税が段階的に上がるたびに、管理費等の値上げを避けつつ収支のバランスをとるため努力してきている管理組合に対し、有効な手段として、増税に伴って管理費等を自動変更することを提案します。実際に行った事例ではなく、提案です。
実施内容〈バリューアップ〉
管理組合からの相談
以前、担当していたマンションの管理組合より、消費税が5%から8%に上がる段階で、収支が厳しくなるため管理委託料の値下げができないかと相談がありました。何とか善処して対応しましたが、その後10%の値上げの際にも同じ相談が……。実は同じようなことが別マンションでも多々あり、課題だと感じていました。実際にお客様から「消費税が上がったら、管理費って変わるんですか?」と聞かれたこともあります。
長期修繕計画の見直し
担当マンションで長期修繕計画の見直しをすると、資材や人件費の高騰など別の要素はもちろんありますが、消費税増税に伴ってこれまで予定していたよりも大きく支出が増え、修繕積立金が足りなくなる、という事態になったことも多くありました。
規約条文を変更しては?
そもそも増税とともに支出は増えているのに、収入が増えなければ収支が厳しくなって当然です。管理委託費だけでなく、共用部分の水道光熱費、修繕工事費など、出ていくお金には消費税がかかってくるため、何もしなければこの状況を打開することはできません。もちろん、住民個々人として値上げは避けたく、管理組合も踏ん切りがつきにくいでしょう。そこで規約条文に、管理費等についても「消費増税に応じて変更する」 旨を記載することを提案します。
固定費の規約変更
実例として、インターネット使用料、ケーブルテレビ使用料など、管理費とは別に「1人○○円」と固定され、同額を毎月徴収しているものについては、増税に応じた規約条文の変更に成功したケースがあり、反対意見もなくすんなりと金額変更できた事例もありました。
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結果
- 管理費は、多くが各戸の専有部面積按分で算定しているので、計算がしにくい面はありますが、不可能ではないと思います。
- 日本人は既定路線には納得する傾向があるので、総会にあげれば反対するが、規約条文に記載されていれば「仕方ない」と納得するケースが多いのではないかと想定されます。
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苦労した点・工夫した点
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居住者の声
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