マンション・バリューアップ・アワード

マンション・バリューアップ・アワード

財政部門
(組合財政の健全化)

部門賞
組合員の負担を軽減したい!

住友不動産建物サービス株式会社
友光学様 岩佐淳史様 須崎友貴様

背景

  • 築14年、総戸数2000戸を超える大規模タワーマンションです。
  • 消費税増税や人件費の高騰などにより、ここ数年で支出が大幅に上がってしまい、いかにして管理費を上げずに諸問題に対応するかが課題となりました。
    ・消費税増税による支出増加……約1,200万円
    ・東京都の最低賃金値上げによる人件費の高騰……約2,200万円
    ・物件内で運行していた貸し切りバスの契約変更による支出増加……約3,000万円 など

目的

  • 経費削減を図り、管理費の値上げを最小化すること。管理費の支出を抑え、マンション価値の棄損を防ぐことを目的としました。

実施内容〈バリューアップ〉

電気料金の削減

現在契約している電力会社と金額交渉を行い、2019年9月より契約内容を変更。年間1,767万円(13.99%)の減額に成功しました。その契約期限である1年が経過した後、さらに電力会社の変更の提案を行い、年間397万6,500円(3.59%)の減額にも成功。最終的には、年間合計2,164万6,500円と、大幅に電気料金を削減することができました。

照明のLED化と補助金の活用

マンションでは、償還年数の短い箇所を優先して、段階的にLED化工事を進めています。直近では間接照明1,495台と共用部照明381台をLED化し、年間電気料金が合計約460万円削減されることが見込まれています。また、工事を進めていく過程で、省エネコンサルタントの派遣とアドバイス工事の実施で100万円の補助金を、さらに人感センサー付き照明設置費助成金で25万円の補助金を受け取ることができました。

共聴設備更新工事の助成金利用

近年、テレビブースターの劣化を原因とする交換工事が多発していたため、共聴設備更新工事を実施しました。総務省の「中間周波数漏洩対策事業助成金制度」による6,720万円(戸あたり3万円×2,090戸)の助成金が下りたことによる工事費削減のほか、さらなる価格交渉の末、見積金額より1,707万5,300円の減額に成功しました。また、本工事の実施により故障が減ったことから、緊急対応の必要がなくなりました。その結果、緊急対応費400万円のテレビ視聴契約を無償化することができました。

下水道料金減免申請について

マンションでは、緑地用の潅水装置に上水道を一部使用していたため、年間165万8,645円の下水道料金が発生していました。しかし、潅水装置の水道は樹木への散水に使用しているため、下水道料金減額対象になることが判明し、年間約130万円(約80%)の削減が見込まれることとなりました。

共用ネットワークサービスプラン変更に伴う契約変更と値下げ

MDF室内の共用ネットワークサービス用機器の所有区分を組合資産から保守委託先の某社に変更。それにより、宅内メディアコンバータが故障する毎に無償交換できるようになっただけでなく、戸あたり年間8,040円、マンション全体では1681万9,680円(税別)の共用ネットワーク使用料金の削減に成功しました。

駐車場区画改修

マンションにある駐車場区画1,302台のうち321台が空いている状態でしたが、人気の平置き及び特大駐車場は満車で、1台目待機者が36名もいるほどでした。そこで、既存の駐車場区画を特大区画に改修することにより、待機者が駐車場契約できる環境を整えました。それにより、年間約1,600万円の駐車場使用料の増収が見込まれています。

管理用倉庫の賃貸

某大規模修繕工事設計会社とコンサルタント契約を締結したものの、近隣に同社が調査等で使う適当な物件が見つかりませんでした。そこで、このマンションの管理用倉庫を調査設計業務に使用することを条件に貸し出し、年額108万円(税抜)の収入増加になりました。

資源ごみの買い取り

以前はマンションで発生していた資源ごみは回収されているだけでした。しかし、古紙や段ボールが値上がりしていることもあり、買取業者と交渉した結果、古紙、アルミ缶などの買取金として年間約100万円の収入増加が発生しました。

結果

  • 各種取り組みの結果、約6,400万円の支出増加に対し、6,669万1,480円の削減が見込まれることになりました。そのうえ、1,808万円の収入増加見込みも得られることになったため、戸あたり約40,500円の貢献となり、組合管理費の値上げを回避。マンションの価値を守ることができました。

苦労した点・工夫した点

  • 全国のフロント担当者から情報を集め、当マンションに該当する削減方法を模索しました。複数会社へ相談し、見積もり取得を繰り返しました。同じ会社に何度も再見積もりを依頼したことから、煙たがられてしまったかもしれません。普段詳しくないことも、業者や上司に繰り返し質問し、打開策を模索しました。そのため、時間がかかりかなりの遠回りをしましたが、知識を深めることができました。理事会とのやり取りが増えた結果、会話が増え、新しい困りごとを発見し、さらなる改善提案をすることができるようになりました。

居住者の声

  • 理事の方からは、「積極的に提案してくれている」、「大きな支出削減に取り組んでもらった」、「管理費の値上げ提案を防ぐことができた。ありがとう」と、お褒めの言葉をいただきました。また、総会では組合員の方より「理事会が支出削減・収入増加に取り組み、成果が出ている」と評価していただきました。

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受賞事例

  • マンションバリューアップアワード2020 2020年受賞事例はこちら
  • マンションバリューアップアワード2019 2019年受賞事例はこちら
  • マンションいい話コンテスト2018年受賞作品はこちら
  • マンションいい話コンテスト2018年管理会社編受賞作品はこちら
  • マンションいい話コンテスト 2017年受賞作品はこちら
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