防災部門(防災力の向上)
佳作
マンションの「防災活動」について
日本ハウズイング株式会社 札幌南支店
山村翼様
背景
- 戸数150戸、棟数4棟の団地管理組合。戸数が多いため、町内会がマンション内単独で存在しています。管理組合と町内会での合同行事が多くあり、住民同士でのコミュニケーションがよくとれているマンションです。
- 2018年の胆振東部地震により、道内に大規模な停電が発生。当マンションは受水槽を用いた給水方式のため、断水となったことを受け、今後の対策について管理組合・町内会にて協議しました。
目的
- 道内で起こった大停電による断水を受けて、今後停電が発生しても水の供給が確保できるようにすること。その他の災害対策も併せて考えることを目的としました。
実施内容〈バリューアップ〉
停電時の断水対策
まず、敷地内の散水栓の一部を水道本管から直接分岐させる工事を行い、停電時の断水対策をとりました。当マンションは基本的に受水槽方式を利用しているため、停電があった際はポンプが稼働せず給水ができません。地震の際もそれで断水となってしまったのです。そこで、被災時には集会室がある管理棟を居住者が利用できるように、道路側から入っている水道本管から直接配管を分岐させ、単独で水道本管から集会室に繋げるようにしました。そうすることで、停電があった際でも集会室は給水を確保することができるようになりました。
発電機を購入
管理組合でインバーター式、容量4.2Lの発電機を1台購入し、携帯電話の充電等を集会室でできるようにしました。
その他の対策
災害時における対策として特に注力していたのが、マンション内の身障者や高齢者の避難誘導です。管理組合と町内会が共同して「防災自主活動組織」を結成。管理組合理事長を中心に組織を「連絡・給食部」「避難・救出部」「消火部」の3つに分けました。マンション内の高齢者や身障者を把握するため、緊急連絡先や居住者名簿の確認、また本人へのヒアリングで名簿を作成。避難訓練時には班ごとに声をかけ、実践的な避難訓練を行っています。
結果
- 散水栓の分岐工事によって、停電時でも直接水道本管から管理棟に給水できるようになったこと、また発電機の購入で、災害時は集会室がある管理棟に集まり、水と電気が確保できるめどが立ちました。
- 管理組合と町内会共同の「防災自主活動組織」ができ、それぞれの役割を明確にしたことで、機能的に活動ができています。
苦労した点・工夫した点
- 避難時に特に手助けが必要な高齢者や身障者の把握については、あらかじめ持っていた緊急連絡先や居住者名簿だけでなく、本人からヒアリングするなどして、詳細な情報収集に努めました。行事等で住民同士の交流が図れているからこそできたことだと思います。
居住者の声
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