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マンションライフ・シニアライフ部門
(住み心地、居住価値向上、高齢者対応)
佳作
クラウドツールを活用した管理組合
運営のデジタル化の取り組み
ヴェレーナ流山セントラルパーク管理組合様
背景
- つくばエクスプレス沿線の千葉県流山市に位置する築5年(2016年2月竣工)の比較的新しいマンションです。流山市は「都心から一番近い森のまち」「母になるなら、流山市。」と子育て世代の呼び込みをしていることもあり、千葉県最多の人口増加数を維持しており、当マンションも約70%の区分所有者が40代以下と比較的若い世代で構成されています。
- 総戸数49戸の中規模マンションのため、コミュニティ形成が進みやすく、コミュニケーションを重視していることで、現在までに各期で意見交換会やイベントが合計10回以上開催されてきました。さらに理事会役員が立候補で選出される流れが第1期から続いており、防災備品やAEDの導入、バリアフリーのためのスロープの設置、広報誌の発行など、管理組合によるマンション管理に関心が高いことが特徴です。
- 一方で、理事会運営や管理会社とのコミュニケーションについては、毎月の対面式の理事会やメール、電話、手紙が用いられることが多く、引継ぎやノウハウの蓄積に不自由することもあり、情報共有方法の改善が課題となっていました。さらに、中規模マンションのため共用のコミュニティルームは設置されておらず、理事会やイベント開催の際には地域の自治会館を利用する必要があり、コミュニケーションの場所の制約を解決する必要もありました。
目的
- それらの課題を解決すべく、クラウドツールを用いて管理組合、理事会役員、管理会社間のコミュニケーション、情報共有のデジタル化を推進してきました。
実施内容〈バリューアップ〉
管理組合にMicrosoft Teamsを導入
第4期(2019年4月~)より、管理組合、理事会役員、管理会社間のコミュニケーション・情報共有のツールとして、Microsoft Teamsを導入。新型コロナウイルス感染症によるテレワーク用のツールとして、働き方改革の現場では様々なコミュニケーションツールが注目され始めていますが、当マンションでは比較的早い時期にTeams を導入しました。管理会社に頼ることなく、予算0円で無料プランのTeamsを開設し、管理組合メンバーで自ら構築しました。
Microsoft Teamsの選定理由
無料プランでも中規模マンション相当の300人まで参加可能(導入当時。2021年4月時点で50万人に増加)、過去にさかのぼれるメッセージ数の制限がない、管理会社が作成するワードやエクセルのファイルをブラウザ上で閲覧・共同編集できる、パソコンを所有していなくてもスマートフォンアプリで利用可能、資料を保存するための共有ストレージも10GBまで利用できる(約10 年分の理事会資料を保存可能な見込み)、管理会社フロント担当者も部分的なアクセス(ゲストアクセス)が可能、メンバー間でチャットやテレビ会議も可能、いいね!や絵文字だけの簡易なリアクションが可能、といった点が選定の決め手となりました。
結果
- 理事会役員と理事会を補助するためのワーキンググループメンバーでTeams を開設し、毎月の理事会の準備や議事録作成、防災情報や共用設備の不具合情報の共有、イベントの開催準備、広報誌の作成・発行などを通じて1 年間試行を重ねてきました。さらに、過去の理事会役員経験者、管理組合運営に関心の高いメンバーを追加して、既に全49戸のうち約半数の区分所有者が参加する規模にまで発展しており、今の時点でもさらに増えつつあります。
- 新型コロナウイルス感染症による外出自粛期間でも、オンラインにより理事会運営を支障なく進めることができました。2020年7月には屋外の共用の庭(ネーブルガーデン)でのイベントを企画・開催し、開催報告の広報誌を発行しました。管理組合の運営強化に関心が高いメンバーやIT に詳しいメンバー、電話やメールベースであったコミュニケーションをTeamsに移行することを快諾していただいた管理会社フロント担当者などの協力を得ながら、比較的若い世代のマンションであるからこそ実現できた取り組みであると考えています。
- 今後は管理組合の正式ツールとして位置付けた上でTeams への参加者をさらに増やしていき、長期修繕計画や防災、イベントなどに関心が高いメンバー(ワーキンググループ)による理事会支援・バリューアップ活動の活発化、テレビ会議による理事会や定期総会の開催、管理員さんの参加、掲示物のTeams上での電子化など、住み心地・居住価値向上のためのプラットフォームとして活用していきたいと考えています。また、人口増加率が大きい流山市ということもあり、毎年数世帯の転入出により比較的早いスピードでマンション内のコミュニティも変化しています。今後はコミュニティの変化にも柔軟に対応していけるプラットフォームとしても機能させていきたいと考えています。
苦労した点・工夫した点
Teams 上では話題に応じて複数のチャネル(理事会連絡、くらしの情報、定期会合、地域自治会、長期修繕計画、防災など)を作成し、マンション生活に必要な情報を集約するようにしました。また、アクセス権に応じて3つのチーム(管理組合構成員全員がアクセスできるチーム、理事会役員がアクセスできるチーム、理事会役員と管理会社フロント担当者がアクセスできるチーム)を構成することで、必要な情報を必要な範囲で共有できる仕組みにしています。さらに、Teamsを使ったことがないメンバーや、管理会社フロント担当者向けに、Teamsの使い方やTeams上でのコミュニケーションのルールをまとめた資料を整備しました。
居住者の声
「理事会役員や管理会社との都度のコミュニケーションの負担が減った」、「通勤時間など、場所と時間に関係なくスマートフォンアプリから理事会の作業ができるので便利」、「審議内容に同意ならいいねを押すだけなので楽」、「生活の工夫や地域のお得情報なども共有してくれて助かる。Teams が便利だと分かり、仕事でも使うようになった」など、様々な声が上がっています。