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高齢者対応部門(居住者の高齢化に伴う先進事例)
佳作
マンション居住者の
交流について
日本ハウズイング株式会社
大石愛様
※イメージ写真
背景
- 約60戸、築40年以上のマンションを担当することになりました。築年数が古いだけに、高齢の居住者が多く住まわれているマンションです。
- ある日の理事会で、理事の方から「ここ半年くらいの間、隣に住んでいるおばあさんの姿を見ていない」というお話しがありました。それをきっかけに、理事と一緒にお宅訪問をしたり、登録のある連絡先に電話をかけてみたりしましたが、連絡が取れない状況が続きました。しばらくして、ご親族の方がマンションに郵便物を取りに来ていたところにお会いしたのでお話を伺ったところ、現在長期で入院されているということがわかったのです。
- この一件があってから、高齢者の孤独死のニュースをよく見かけるようになったことも考慮し、毎月開催されている理事会で、マンションの高齢化を議題にあげ、理事会でその対策を話し合うことになりました。
目的
半年間顔を見かけない居住者が長期入院していたことを知ってから、マンション居住者の高齢化問題に理事会で取り組むこととなりました。まずは見守りの必要な居住者がいるか把握すること、さらに見守りが必要な人に対し理事会でできることを実践するのが目的です。
実施内容〈バリューアップ〉
居住者名簿をリニューアル
毎年、総会の時期に総会資料に居住者名簿を同封し、総会の出欠表と一緒にご提出していただくことで、年に一度名簿の更新を行うようにしました。名簿には備考欄を設け、「足が不自由で手助けが必要」、「現在は一人暮らしで、近くに頼れる親族がいない」等のコメントを記入できるようにしたことで、見守りや支援が必要かどうかを把握することができます。
「マンション見守り隊」を設置
理事会とは別に、マンション見守り隊という組織を設置しました。見守り隊のメンバーは、マンション居住者の中から公募による立候補者で組織されました。見守り隊の主な活動は、毎週土曜日に、管理員と一緒に見守りを希望されるお宅を訪問し、何かお困りごとがないか確認することです。
植栽の一斉植え替えで居住者の交流を
マンションにある広い花壇は、もともと理事会で植栽の管理を行っています。しかし、今回のことを契機にマンション全体で参加者を募り、年に2回植栽の一斉植え替えを行うことにしました。マンション内の子どもや高齢者の方もたくさん参加し、おとなと子どもが一丸となって花壇づくりを行いました。第1回目の植栽植え替えの時には、マンションエントランス前にあるマンショのメインとなる花壇に、モミの木を植えました。
※イメージ写真
結果
- 居住者名簿は、総会時に出欠表と一緒に提出することとしたので、毎年1回必ず更新される仕組みづくりができました。
- マンション見守り隊があることで、見守りの必要な高齢者の健康状態などを把握できるようになりました。またそれだけでなく、マンション内に顔見知りの人が増え、交流の輪が広がっています。
- クリスマスの時期になると、第一回目の植え替え時に植えたモミの木に居住者で飾り付けを行います。冬の時期は日が短くなるので、モミの木に飾られた電飾がマンションの顔となるエントランスを彩り、とてもいい雰囲気に包まれ、居住者や来訪者から好評でした。
- 管理組合では、さらに四季ごとのイベントを計画しました。春はよもぎ団子作り、夏は流しそうめん、秋はマンションに植えてあるもみじの葉を拾ってラミネートを使ったしおり作り、冬は書き初め大会の実施を検討しています。普段、引きこもりがちになってしまう高齢者がお部屋の外に出て、四季を感じながらマンション内に住む子どもたちとの交流が少しでも広がればいいと思います。
※イメージ写真
苦労した点・工夫した点
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居住者の声
マンション見守り隊の活動を行うようになってから、「訪問する方・される方の顔見知りが増えてよかった」とのお声をいただきました。