佳作
早めの機械式駐車装置庫入替で利便性・将来性アップ

大和ライフネクスト株式会社
剱持くるみ様

※イメージ写真

背景

こちらのマンションは総戸数52戸のファミリータイプで、担当していた当時築16年でした。機械式駐車装置の不具合の多さや高さ・重量制限によって契約ができないといった声を、お住まいの方からいただくことがありました。
バス停がマンション前にあるものの、最寄駅までは徒歩15分以上。世の中では「若者の車離れ」という言葉が浸透しつつありましたが、お住まいの方々にとって車は生活の必需品であることに変わりはなく、管理組合にとっては契約が増えれば収入増につながるものの、サイズを超える車両を契約することはできない、というジレンマを抱えていました。
一方で、修繕積立金の資金計画では将来的に不安があるにも関わらず、点検指摘事項の修繕や部品交換の周期が迫り、機械式駐車装置に関する大きな支出が必要となっていました。安易に目の前の修繕を積み重ねるのではなく、お住まいの方の利便性アップと管理組合の修繕積立金計画の改善を同時に叶えるため、理事会役員のみなさまと弊社の設備担当部門での打ち合わせを重ねました。

目的

機械式駐車装置の不具合の多さや、高さ・重量制限によって契約ができないといった居住者の不満と、機械式駐車装置に関する大きな支出を解消し、利便性アップと管理組合の修繕積立金計画の改善を目的として、従来の油圧式の機械式駐車装置をチェーン式のものに入れ替える計画を立てました。

実施内容〈バリューアップ〉

機械式駐車場装置の一部を入れ替え

もともとは25期に約6,000万円での入替工事が長期修繕計画に計上されていましたが、17期に3,000万円ほどをかけて装置を入れ替え、かつ２カ所にある装置のうち１つを３段式から２段式に変更。高さ・重量制限を従来のものより緩和させることができました。3段式より２段式のほうがサイズ制限が緩和されるので、全てを２段式に変える選択肢もありましたが、車をお持ちの方が多く、既存契約を維持するためには、すべてを２段式・チェーン式にするのではなく、一部は３段式を維持することで、組合の収入を維持することにしました。

※イメージ写真

修繕の資金計画も改善

駐車場使用料を改定し、全体の台数が減ったため点検費用も削減。不具合による修繕費用もかからなくなりました。そのため、修繕費用を抑えた長期修繕計画を作成することができ、将来的な資金計画も改善しています。

結果

複数の機械式駐車装置（３段式・油圧）があるなかで、一部を２段式・チェーン、他は３段式・チェーンへの入れ替えとしたため、39台から31台への台数変更となりました。また、油圧式からチェーン式へと変更したことにより、高さ・重量制限が緩和されました。これまで高さ制限のために敷地内に駐車場を借りることができなかった居住者も、停めることができるようになっています。

※イメージ写真

経年劣化によって不具合が頻発し、お客様の生活に支障が出たり、修繕費用がかさんだりしていましたが、入れ替えたことで初期費用はかかったものの、不具合による修繕費用はかからなくなりました。また台数が減ったので点検費用も安くなりました。修繕費用を抑える長期修繕計画を作成することが可能となり、将来的な資金計画も改善されました。