防災部門(防災力の向上)
部門賞
3組合 合同防災訓練
株式会社大京アステージ湘南支店
「減災プロジェクトチーム」様
背景
- 内閣府の「やればできる! 減災」をテーマに、4年前から減災プロジェクトチームを立ち上げました。課の枠を超え、14名で活動を行っています。減災に関する啓蒙はもちろん、各マンションの特性や問題点を明らかにしたうえで、自立した管理組合への成長を支え、永続した信頼関係を築くことを目標としたチームです。
- 湘南支店エリアのマンションを抽出し、現地調査、マンション設備を含めた訓練を実施しています。メンバー全員でマンションの下見を行い、物件に応じた体験を提案しています。2015年から18年までの間に、10のマンションで防災訓練を実施しました。
- 実施しているのは、①エレベーター地震時停止体験 ②パーテーション蹴破り体験 ③水消火器体験 ④防災備蓄品の体験・説明 ⑤防災セミナー ⑥AED説明など。さらに、訓練終了後に懇親会を兼ねた防災食試食会を開催しています。
- 2019年には、新たな試みとして、近い場所にある3つのマンションで合同の防災訓練を行いました。
目的
- 多くのマンションでは、地震発生後の避難生活をマンション内で過ごすことになります。その孤立した環境を予測して、どのように災害を減らし備えるかについて模索していました。そのなかで出てきたのが、「1棟のマンションだけではまかなえない部分をどのように補っていくのか」ということと、「近隣マンションを同じ管理会社で管理しているメリットはどこにあるのか」ということでした。
- そこで、居住者の防災への意識を高めるとともに、近隣にあるライオンズマンションの組合員同士が顔見知りになり、何かあった時に助け合うことができることを目的としました。また、3組合をつなぐ架け橋となることで、当社に管理を任せていただくことの付加価値を見出していただくこともひとつの目標です。
実施内容〈バリューアップ〉
訓練内容を吟味
プロジェクトチームのメンバーが、各マンションの理事会に数度出席。主幹マンションを決め、当日の実施内容やそれぞれのマンションで実施する内容・参加者へのおみやげ等々を選定しました。さらに、現地調査やリハーサルを実施して本番を迎えました。
Aマンションに集合して、訓練開始!
訓練当日。主幹マンションとなったAマンションに参加者全員が集合しました。その後、3マンション混合でグループ分けを行い、4つの班に分かれます。
[訓練内容]
- 防災セミナー
- AED体験
- 避難ハッチ体験
- パーテーション蹴破り体験
- 水消火器体験
- 防災備蓄品の説明
訓練内容を上記の6つに分け、AマンションとBマンションにそれぞれ会場を設けました。例えば、Aグループはセミナー⇒AED⇒ハッチ体験⇒蹴破り⇒消火器⇒備蓄品説明、BグループはAED⇒セミナー⇒備蓄品説明⇒消火器⇒蹴破り⇒ハッチ体験といったように、班ごとにルートを分けて行動。最後に、全員で防災食の試食会を開催しました。
結果
- 小さなお子さんのいるファミリーからご高齢の方まで、約50名の参加がありました。
- 「知らなかったことがよくわかって、いい体験になった」などの感想を多数いただきました。災害時の自助・共助に対する意識づけができたと考えています。
- 合同で訓練を行ったことにより、その後もマンション間での交流がありました。例えば、1組合のみ集会室を持っているのですが、他2組合への貸与などの話が出ています。
苦労した点・工夫した点
- 3つのマンションの居住者たちが顔見知りになれるよう、グループ分けの際にあえて3マンション混合で班分けをしました。
- マンション間を移動する際は、黄色い旗を持った人員を配置するなど、安全な横断に配慮しました。
- 減災セミナーはマンションごとにオリジナルの内容です。集中力を切らさないため防災クイズも実施。正解するとようかんがもらえます。
- 今後の訓練につなげるため、参加者にアンケートを実施。やってよかったことや今後やってみたいこと、組合に購入してもらいたい備蓄品などについて回答してもらいました。
居住者の声
- 「皆様のお陰で今までにない防災訓練が実現できたと思います」。
- 「参加者の皆様は真剣にしかも興味深く参加されていたようで、今回のイベントは大成功だったと思います。私自身も普段見られない設備や機能を確認できて勉強になりました。事前準備から始まり、当日は非常に多くの方を動員いただきまして、想像を超えた内容になりました。内容もほかのマンションの震災例など御社ならではの情報も盛り込まれておりよかったと思います。ありがとうございました」。
- 「すばらしい防災訓練でした! すばらしすぎて防災訓練のハードルが上がった感もありますが、来年以降も続けていきたいですね」。