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高齢者対応部門(居住者の高齢化に伴う先進事例)
マンションライフ部門(住み心地、居住価値向上)
高齢者対応部門 部門賞 マンションライフ部門 佳作
100年委員会と
マンションコミュニティ
コーシン王子管理組合
榎本明弘様
背景
- コーシン王子マンションは昭和50年築。10階建て101戸で、当時としてはおしゃれで人気が高かったいわゆる「ヴィンテージマンション」です。
- 私は築10年の時にマンションを購入し、輪番制で理事になってから、管理規約を読んだりセミナーに参加したりしてマンション管理の知識を深めてきました。もともと「あいさつ運動」を行うなどマンション内のコミュニティは良好でしたが、建物の老朽化とともに、65歳以上の世帯が44%となるなど、居住者の高齢化が問題となっていました。
- 36期の理事会で「マンションの建て替え」が話題になり、結論として「今のマンションを100年長持ちさせる」ことを目標にすることとしました。しかし、100年維持させるための課題も山積みで、解決に向け検討する「100年委員会」を発足させることになりました。
目的
「今のマンションを100年長持ちさせる」ために発足した100年委員会。建物は旧耐震であるため、大規模修繕のほかに耐震診断と耐震補強が必要であること、それらを円滑に進めるための人間関係の構築などを目的とし、様々な取り組みを行ってきました。
実施内容〈バリューアップ〉
委員を募集し、委員会を毎月開催
100年委員会は居住者であれば誰でも参加できる自由な委員会で、毎月開催されます。2012年4月に開催した第1回の会では、設立趣旨の説明とマンションが建っている地域の歴史を紹介。その後の4回は、マンションのコミュニティについてセミナー形式で開催しました。その後、会は座談会形式に。参加者の関心は前年に起きた東日本大震災の影響で、防災に関するものが多かったため、防災センターの見学会や防災マニュアルの作成も手掛けるようになりました。
高齢化への取り組み
健康のためのウォーキングを毎日曜日に開催しています。また、東日本大震災の年に作成した「安心登録カード」は居住者全員が提出。そこから分かった独居高齢者の世帯に、月3回行政から発行されるニュースを管理員から手渡すことに。ある日、高齢女性宅の郵便受けに新聞がたまっていることを管理員が発見。警察を呼んでドアを破壊すると、女性は部屋で動けなくなっていました(すぐに病院に運んだため大事には至らず)。玄関や段差にスロープ、階段には手摺、エントランスにソファを設置するといった細かな対応も随時行ってきています。
コミュニティへの取り組み
花と緑の会を立上げ、マンション内の花壇の手入れを自分達で行うようにしました。敷地は4面が道路に面しており、花壇の手入れが街の美化にもつながることから、行政と「みどりの協定」を締結し、花の苗や土、肥料などの支給を定期的に受けています。また、毎年8月の第1週土曜日には屋上を開放し、いたばし花火大会を眺めながらくじ引きや焼き鳥のサービスを居住者向けに提供。100年委員会が主催して、高尾山への紅葉狩りや帝釈天・七福神巡りなど、居住者参加のツアーも開催しました。
耐震化の取り組み
簡易耐震診断の結果が思わしくなかったことから、100年委員会のメンバーが北区の住宅課、耐震総合安全機構(JASO)、都庁などを訪問して積極的に情報を収集。居住者に対する丁寧な説明ができたため、大きな反対もなく2019年に耐震改修工事をすることができました。
結果
- 建物を100年長持ちさせるために絶対に必要だった耐震工事を、無事終わらせることができました。
- コミュニティ醸成の取り組みによって、居住者間の同意が得られやすくなり、「高圧一括受電の工事」や、「違法駐輪自転車の一掃」など、管理組合の活動もスムーズに行うことができるようになりました。
- もともと管理の良いマンションとして、近隣から移ってくる人が多かったのですが、最近では親が子ども用に購入し、2世帯でこのマンションに住んでいる家族もいます。
- 輪番制で入れ替わる理事会なので、ノウハウの蓄積が難しいのが課題でしたが、100年委員会は常設委員会であるため、アイデアを実行・継続する拠り所として機能しています。
苦労した点・工夫した点
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居住者の声
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