- 連載
- 特集
- 2011年夏号
●マンションの隣人は外国人
●外国人は住まい探しで一苦労
●分譲マンションならではの管理上の難しさ
●困った時の生活ルールの伝え方
●外国人とのコミュニケーションのコツ
●コミュニケーションの輪を広げる
●生活騒音
生活騒音としては、上下階の音の他に、音楽がうるさい、夜遅くまで友人たちが集まって話し声がうるさいといったトラブルがあります。音に対する感覚は文化的差異が大きいので、外国人本人は母国と同じように普通に生活しているつもりなのですが、日本人は「騒音」と感じて、「常識がない!」「迷惑だ!」と思ってしまいます。
しかし、実は日本と外国では常識が異なるということを理解する必要があります。その上で、外国人には日本の生活文化としてマナーを伝えて、協力してもらうことが大切です。
外国人が新しく引っ越してきたら、マンション管理組合の役員や管理員から、隣戸へ挨拶に行くようにアドバイスしてあげてください。日頃からコミュニケーションが取れていれば「お隣さん、今日はお友達が集まって楽しそう」と思えますが、隣人が誰か顔もわからないような状況だと「なんて迷惑な隣人だ」という気持ちになります。
「引っ越し挨拶をすると近隣トラブル防止効果が大きい」というのは、外国人への賃貸を専門に扱っている不動産業者の秘策です。
外国人が新しく入居してきたら、最初にマンションの管理員か管理組合から、マンションのルールを伝えるというのが、一番重要なポイントです。ゴミ分別の多言語パンフレットは、その場で渡せるようにあらかじめ取り寄せておく、音に気をつける時間帯を具体的に伝える、隣に挨拶へ行くように促す、是非ともこれらを実践してください。
そして日頃から挨拶や言葉を交わすように心掛けます。お互いに顔がわかっていることで、「友人との同居や転貸」のトラブルに対する心理的抑制効果も得られます。
●外国人とのコミュニケーションのコツ
相手が外国人でも日本人でも、コミュニケーションの取り方の基本は同じですが、少しの配慮で、コミュニケーションがスムーズに取れるようになります。そのポイントは次のとおりです。
②相手(外国人)の話を聞く
③連絡文書には日本語と外国語を併記する
④お役立ちツールを活用する
●やさしい日本語で話す
外国人が日本語をよく理解できる人ならば、日常的に使う日本語で話してもよいのですが、あまり日本語が得意ではないような場合は、簡潔な日本語で話したほうが、外国人にとっては親切です。例えば「お友達が大勢集まって夜分遅くまで盛り上がっていらっしゃるようですが、うちは子供がいるので配慮していただけないでしょうか」→「もう、夜遅い時間です。うちでは、小さな子供が寝ています。お友達とは、静かに話してください」。
日本人は、相手に対して失礼がないように(あるいは日常的慣習で)えん曲で丁寧な表現を使いますが、丁寧すぎると、かえって相手に伝わらない原因になります。
しかし、どうしても通訳が必要な場合には、日本語が得意な外国人の友人に手伝ってもらう方法があります。携帯電話で通訳をお願いするのが一番簡単な方法です。