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- 2011年春号
取材レポート
~マンション管理もデジタル化~
すまいるコミュニティ(仮) 財団法人
中央区都市整備公社が開発
東京都の中央区都市整備公社での取材で、平成17年の国勢調査の結果、中央区が世帯数に対して集合住宅に居住している人の割合が全国1位。区民の約86%が集合住宅居住者だということが分かった。中央区では、今後もマンション居住者の割合率が上がるだろうと想定。今後の政策として「マンションの管理組合業務の相談を受ける窓口」や「修繕工事などに必要な費用を一部助成する」などを実施していた。
対策のひとつとして、インターネットを使って分譲マンションの管理組合の業務を支援するシステム『すまいるコミュニティ(仮)』を2011年4月に本格稼働させる。
システム開発の依頼を受けた財団法人 中央区都市整備公社は、「管理組合や理事会にマンションの維持業務をお願いしていますが、理事会役員の入れ替わりが激しく、マンション管理業務の専門的なスキルを勉強するところまで至らぬまま、次の理事の方にバトンタッチしているようです。また『仕事をしながら理事会業務をこなすのが難しい』とのご相談を受けたこともあります。解決策として、マンション居住者の住環境や生活環境の手助け、管理組合の理事さんたちが本来やらなければいけない業務を、直接支援できるようなシステム『すまいるコミュニティ(仮)』の開発に着手いたしました」と担当者。
システムの内容としては、各マンション専用のホームページを作り、住人に個別に連絡する機能や、組合の役員同士がネット上で話し合う機能などを付ける。住人は専用のIDとパスワードを打ち込んで、自分専用のページが確認でき、組合は住人のページにあるメールボックスにお知らせを出したり、アンケート調査ができる。一部詳細は次のとおり(サイト画面は予定)。
■ホーム
ログインしたときに最初に開くのがホーム画面。ホーム画面には、画面左にログインした方の権限に応じたメニューが表示される。メニューは区分所有者用のIDでログインした場合は16種類、理事のIDでログインした場合は21種類、最も権限の大きな理事長のIDでログインした場合は23種類の機能が使用可能になる。画面中央には、新着情報、お知らせ、通知、商店お得情報などが表示されている。「新着情報」の欄には、まだ内容を確認していないお知らせや未回答のアンケートなどの件数が表示。「お知らせ」の欄には、理事会や公社などからのお知らせが日付順に表示され、また、内容の確認を求める理事会からのお知らせには、旗のマークが表示される。
■お知らせ
「お知らせ」は、理事会、公社、中央区、町会から区分所有者等に情報を提供するものです。最も一般的なのは理事会からの「お知らせ」だ。理事会の「お知らせ」には、総会の連絡や工事の日程の連絡など、区分所有者等に必ず確認していただきたいものがあるので、すまいるコミュニティは、理事会がお知らせを作成するとき、区分所有者がお知らせを読んだことの確認を求めることができる。
■アンケート
区分所有者等の意見の聴取や意向を調査するためのツールとして、「アンケート」機能がある。この機能は、管理組合(理事会)が区分所有者等に対して実施したいアンケートを作成し、すまいるコミュニティシステム上で回答していただくことで、結果を自動集計するもの。集計結果CSVファイルとして出力することが可能だ。
■商店情報関連
「商店情報」は情報を提供していただいたお店の所在ほか、行き方、電話番号などの基本的な事項や、扱っている品物などをみることができる。お店の「チラシ」の閲覧や「クーポン」を取得することも可能。