- 連載
- マンガで事例研究
- 2016.10.03掲載
◆何かよい策はないのか
何かよい策はないのかを、弁護士の篠原みち子先生と一般社団法人マンション管理業協会に聞いてみましょう。
まずは、篠原みち子先生に聞いてみました。
「篠原先生、海外の人の居住に問題がある場合は、どうすればよいでしょうか。なにか問題を予防する、あるいは解決できるよい方法はありませんか」
「そうね。『区分所有者が住戸を外国の人に、賃貸や譲渡する場合は使用細則を十分に説明しなければならない』という定めを管理規約に置くことは可能です。また、管理組合として、違反行為があった場合に、繰り返し説明や注意をし、掲示板や管理規約・使用細則を翻訳し、配布するなどの対応等が考えられます。また、管理組合として不動産業者に、一通りの確認を依頼することもできるでしょう」*
こうした、丁寧な対応が必要です。また、違反行為が続く場合は、管理組合として是正のために、必要な勧告、指示、警告ができます。しかし、そうした事態になる前に、予防が必要ですが、まずは日本のマンションの基本的な仕組みをわかってもらうことが必要なようです。
そこで次に、一般社団法人マンション管理業協会に聞いてみました。
「海外の人に、日本のマンションの基本的な仕組みを理解してもらう本やパンフレットはないでしょうか」
「ちょうどよかったです。この冊子があります。齊藤先生のこのコーナーが、英語で冊子になりました。これを使って、まずは日本のマンションの管理の仕組みや共同生活を理解してもらうことがよいのではないでしょうか」
このように、海外の人にも、日本のマンションを理解してもらいましょう。そして、賃貸をする区分所有者にはしっかりと所有者の責任を果たしてもらうとともに、仲介する不動産業者にも問題予防や解決に協力をしてもらいましょう。
◆長期海外居住の区分所有者への連絡
国際化として、区分所有者の海外への転居があります。また、海外に住んでいる人がマンションを購入する事例も増えています。区分所有者の皆さんがマンションに住んでいると、連絡事項はすべて集合ポストやドアポストに投函すればよいかもしれません。しかし、それ以外の所にお住いの場合には、郵便等をつかっての連絡が必要となり、手間がかかります。総会の案内などを「ここに送ってほしい」と申し出られると、そちらに送ることになります。それが海外の場合には、迅速に伝わらない可能性もあります。そこで、国内に連絡場所を定めて届けてもらう方法もあります。
不在にしている区分所有者にも、離れていてもマンション管理にしっかりと参加できるように、情報を伝える工夫は必要です。また、管理費等の滞納には迅速な対応が必要です。