- 特集
-
新春インタビュー
- 2018.01.18掲載
◆管理業界が果たすべき3つの「守る役割」をマネジメント
さて、新春を迎え、2018年も当協会では、前述の「2つの高齢化」や業界の決定的な「人手不足」といった、事業環境の変化に直面する中で、今後を見据えた「ビジネスモデルの転換」を喫緊の課題ととらえています。
現状の厳しい社会経済環境を見据え、マンション管理業界は3つの「守る役割」、即ち、「ハードとしての建物・設備を守る」・「居住者の生命・安全を守る」・「居住者の生活を守る」という社会的役割をよく自覚し、相互にこの意識を共有し、マネジメントしていかなければなりません。
更に、管理会社の法令遵守の徹底、コンプライアンス体制の整備の更なる強化が求められていることは、改めて言うまでもありません。
◆従業者のモチベーションを維持・向上する
管理会社の重要な役割を広く深く認識していただくためには、管理組合やマンションユーザーの皆様、更には社会全般から「高い評価と厚い信頼」を得ていくことが不可欠です。マンション管理業が「人的資源」を要に成り立つ業であることを考えれば、「高い評価と厚い信頼」の実現のためには、従業者のモチベーションの維持・向上が最も重要です。
給与水準の確保は当然のことです。二つ目はその働きを正しく評価することです。人は社会や組織から適正に評価されなければ、モチベーションは上がりません。感謝の言葉はやる気を高めますが、仕事には達成感が必要です。社会に貢献しているという実感も大切です。そして三つ目、みんな自分の成長や自分の世界が広がることを望んでいます。現場の従業者の皆さんがどのようなモチベーションを持って、どのような管理をするかの質によって、「居住価値」も、究極的には「資産価値」も変わっていくのです。
◆中期事業計画を策定・公表へ
当協会は今般、来年度以降5カ年の活動方針を示す『中期事業計画2018―2022』の策定に着手しており、この3月に公表いたします。基本目標として、「マンション管理業の成長発展・社会的評価の向上」「業界従業者の処遇の改善・社会的評価の確立」の2つをミッションとして掲げ、当協会の役割をより明確に示します。
2つのミッションの実現の前提として、会員各社は引き続き、人材の教育をしていかなければなりません。今後の管理会社のビジネスの在り方を問い、それに見合うスキルや能力をはっきり自覚して示し、目標に向かって人材育成を進めていかなければなりません。自社は何を手掛けているのか、何を手掛けられるのか、付帯のサービスを含めて、管理業として自社の業務や経営の姿を見つめ直し、今一度、再確認して頂きたいと思います。大変難度の高い課題ですが、乗り越えていかなければなりません。
◆質の高い技術を提供する
人材の教育において、技術者の教育は特に重要です。第一線の営業担当者が築いた信頼が、例えば、水漏れという一つの事象で簡単に崩れてしまいます。技術者が不足していれば、これからそうした事態はたくさん出てくるでしょう。管理業務での技術は、机上の理論より経験が生かされる側面が大きいものです。ベテランの技術者たちが定年でどんどんいなくなっていますが、数多く残っている古い技術の建物を誰がこれからも守っていくのか。きちんとした質の仕事を提供しなければ、第一線の営業担当者は、クレームの対応ばかりとなります。建物の技術管理は非常に難しい仕事ですが、非常にやりがいのある仕事であり、責任は重く、スキルを磨いて、高い信頼を引き続き得ていかなければなりません。
最後になりましたが、会員の皆様のご活躍と、管理協の更なる発展のために、引き続き、ご支援とご指導を心よりお願い申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。