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  • 2011年冬号

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明海大学不動産学部教授 齊藤広子

◆誰? ここに車を止めたのは!?

誰だ、ここに車を止めたのは!?エントランスに乗り上げて駐車するなんて。ここは駐車場じゃないのにどうして止めるんだ。ゴミ収集車は通れないし、もちろん万が一の時に救急車や消防車も通れない。歩きにくいし、視界も悪い。危険じゃないか? エントランスのタイルも割れている。

え? 誰なの? 私のところに勝手に車を止めているの? 一体いつになったら出て行ってくれるの? 私はどこに止めればよいの? マンション暮らしが嫌になってしまう…。

あ! また、来客用駐車場を無断で、長く駐車している人がいる。「来客用」という意味を知っているのだろうか。安心して、友人もよべやしない。

マンションに車を捨てるってどういうこと? 敷地内通路に車が放置されて、はや1週間。持ち主も現れないし、警察に連絡したら、なんだかとても冷たい。私たちのマンションはゴミ捨て場なの??

◆マンションの違法駐車

こうしたマンションの違法駐車問題は、平成20年度マンション総合調査ではトラブルのトップ3になっています。過去1年間に発生した問題で、生活音に関するものは37・1%、ペット飼育に関するものが34・8%、そして違法駐車に関するものが31・2%と、第3位です。

問題になっている違法駐車とは、法に違反しているだけでなく、マンション内のルールに違反している、他の居住者に迷惑をかけるものも含まれます。こうしたルール違反が多いと、マンションライフもストレスになってしまいますね。何とか、問題を予防することと、起こってしまったら早めに解決をしたいものです。

◆違法駐車への対応

上記の問題はどうも複数の原因があるようです。

1つはちょっと用事がありマンションを訪ねてきた人が、一時的に車を置くスペースがないという問題です。例えば、荷物の配達などがあります。

2つめはもう少し長い時間のマンションの滞在で、例えばマンションに遊びに来た友人が車を置くスペースがないという場合です。

3つめはそもそも駐車場が不足していて、他人のスペースや来客用を占用する人がいる場合です。

4つめはマンションが私有地であり、警察が立ち入りにくい、その一方で、マンション居住者が自分たちのマンション内の変化や環境に関心が低いことがあります。

起こっている問題は何が原因で生じているのかを見極める必要があります。