- 連載
- マンガで事例研究
- 2024.04.01掲載
●管理計画認定を受け、マンション管理適正評価制度を利用して、市場での評価を
管理計画認定を受けたマンションの居住者に聞いてみました(図表-4)。このマンションでは、認定を受けてまだ1か月の時点ですが、すてきな声が聞こえてきます。認定を知って、「何も思わない」人は2割を切り、「うれしく思う」「資産価値が上がると思う」などの意見が多くあります。また、認定を受けて、あなた自身のマンション管理についての気持ちや態度が変わったかを聞いてみたところ、「何も変わらない」人が約4割ですが、半数以上の人が気持ちや態度に変化が表れており、「管理への関心が高まった」「管理会社への感謝が高まった」「理事等への感謝が高まった」など、感謝の気持ちが高まっています(図表-5)。
もちろん、マンション管理適正評価制度を利用した場合と同様にマンションの管理状態の健康診断にもなっていますし、マンションの関係者がどのように管理をしていこうかという目標のイメージの共有の機会にもなっています。さらに、マンション関係者へのありがとうという感謝の気持ちも芽生え、お住いのマンションへの関心が高まっています。
ぜひ、マンション管理適正評価制度を利用し、さらに管理計画認定にもチャレンジしてみませんか?今まさにマンションの管理を見える化していく時代になっています。
図表-4 認定を受けたことを知ってどのように感じましたか(複数回答/n=474)
図表-5 認定を受けて、マンション管理についてあなた自身の気持ちや態度で変わったことがありますか
出典:横浜市立大学齊藤広子研究室 調査結果
マンション管理に携わると、管理規約、修繕、会計、居住者間トラブルなど、様々な課題に直面することがあると思います。さらに高経年化が進むと、修繕しなければいけない箇所も増え、これを放置してしまえば、たとえば給排水管の破損等で居住機能が失われるなどの最悪な事態も想定されます。
管理計画認定制度は、将来的に管理不全に陥ることを未然に防ぐために必要な基準を設けているので、認定を取得することで、マンション管理の将来に対する不安の解消につながります。
自治体やマンション管理の専門家による相談窓口も設けられていますので、まずはご自身のマンションの管理状況を認定基準や評価基準と比べて、どのような状況になっているか確認してみてはいかがでしょうか。
齊藤 広子
横浜市立大学国際教養学部不動産マネジメント論担当教授。工学博士、学術博士、不動産学博士。
著書に『新・マンション管理の実務と法律』(共著・日本加除出版)、『不動産学部で学ぶマンション管理』(鹿島出版会)、『これから価値が上がる住宅地』(学芸出版社)、『初めて学ぶ不動産学』(市ヶ谷出版)、『住環境マネジメント〜住宅地の価値をつくる〜』(学芸出版社)など多数。