- 連載
- マンガで事例研究
- 2023.07.03掲載
今年は関東大震災から100年になるんだな。首都直下地震、いやいや日本ではどこで地震が起こってもおかしくない状況だから、不安だな。
いざという時に助けてもらえるのか!? だって、隣に誰が住んでいるかもわからないし、停電したらエレベーターも止まる。それに、断水したら水を取りに行かなければならないけれど、どこに行けばよいのか……。トイレも使えないのか!? あれこれ考えるとますます不安だな……。
●関東大震災から100年
今年(2023年)は関東大震災から100年です。その間の一番大きな住まいの変化はマンションの普及ではないでしょうか。関東大震災で住まいを失った人たちに対して、国内外の義援金を元に設立された同潤会が提供した住まいは、郊外には戸建て住宅、都心には地震に強く火災にも強い、鉄筋コンクリートでつくられた共同住宅でした。当時は賃貸住宅でしたが、その後GHQ(General Headquarters, the Supreme Commander for the Allied Powers:連合国軍最高司令官総司令部)の命により居住者に払い下げられ、現在のマンションの前身の形態となりました。同潤会によってつくられた共同住宅は既に解体され、その姿を見ることもできなくなりましたが、同潤会青山アパートが建て替わった表参道ヒルズでは昔の建物が再現されています。
100年という間に、マンションはいまや日本の都市の主要な住まいの場となっています。関東大震災から100年となる節目に、改めてマンションの防災について考えてみましょう。
取壊し前の同潤会青山アパート(2002年撮影)
同潤会青山アパートを再現して建てられた表参道ヒルズ同潤館(2006年竣工/安藤忠雄 設計)