- 連載
- マンガで事例研究
- 2021.01.04掲載
2020年は大変な年だったな。まさかの新型コロナウイルス感染症で緊急事態宣言発出、そして在宅勤務や時差出勤の奨励、Web会議やリモートシンポジウム、リモート飲み会やリモート帰省など、まさに経験したことがないことの連続だった。暮らし方や価値観が大きく変わった気がする。これからどうなるんだろう。何が変わるんだろうか。ついていけるかな。
●在宅勤務の奨励
新型コロナウイルス感染症拡大予防の観点から、緊急事態宣言が2020年4月に出されました。想像もしていなかった事態に、正直、戸惑った人も多かったのではないでしょうか。宣言中は全国で約4分の1の人が、東京都では約半分の人が、在宅勤務などのテレワークを実施していました(※1)。企業によっては、2021年4月から、原則、在宅勤務を前提とするなど、新しい働き方の方針が出されているところもあります。
在宅勤務をして困ったこととして、仕事に適した場所がなかったり、仕事に適した家具・設備(机、椅子、モニターなど)がない、その結果、リビングルームで仕事をしていた人が6割、寝室で行っていた人が2割、そして子どもの部屋を借りていた人が約1割になっています(※2)。
平日昼間に在宅することがほとんどなかったため、マンションの平日の姿に驚いた人もいたかもしれません。換気のため窓やドアを開けることが多く、家の中の家族の話し声や音が気になったり、近隣の人の声や音が気になる、開けた窓からのにおいが気になるなど、新たな課題も見られました。
こうした働き方、暮らし方の変化に伴い、住まいや環境への関心が高まっています。そして、通勤や通学の時間がもったいない、今後も許されるなら在宅勤務を継続したいという意向がみられます(※3)。
(※1)パーソル総合研究所「第三回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」
https://rc.persol-group.co.jp/news/202006110001.html
(※2)ミサワホーム総合研究所「新型コロナウイルス影響下における住まいの意識調査レポート」
https://soken.misawa.co.jp/news/20200804/1604/
(※3)日本労働組合総連合会「テレワークに関する調査」
https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20200630.pdf?32
●使わなくなったキッズルームをコワーキング(Coworking)(※)スペースに
テレワークが推奨されても、「自宅ではなかなか仕事モードに気持ちが切り替わらない」「小さな子どもがいて、仕事がしにくい」などの声が聞こえてきます。そこで、マンション内の空きスペースを使って、テレワークをしやすい環境をつくることを考えてみましょう。
例えば、入居時に魅力的に見えたキッズルームも、今では使う人がほとんどいないということもあるでしょう。入居時に30代だった入居者も、10年経って40代になり、益々働き盛りです。子どもたちはマンション内のキッズルームよりも外で遊ぶことが多くなり、遊び場としてのマンションを卒業しています。そこで、キッズルームをコワーキングスペースとして利用することを考えてみましょう。区分所有者の皆様の意向を把握したうえで、スペースの改装工事を必要とする場合や、工事は特に必要ないけれど、家具を配置するなどして利用の方法を変える場合がありますので、それぞれの場合を考えてみましょう。
(※)コワーキング:オープンなワークスペースを共用しながら各自が独立した仕事を行うワークスタイル