- 連載
- マンガで事例研究
- 2016.04.01掲載
◆改正のポイント
1.外部の専門家の活用:理事長を含む理事及び監事について、これまで区分所有者に限定していたも
のを、選択肢として外部の専門家も就任可とし、利益相反取引の防止、監事の権限の明確化等の所
要の規定を措置。
2.駐車場の使用方法:駐車場が全戸分存在しない場合における入れ替え制などの公平な選定方法、空
きが生じている駐車場の外部貸しに係る税務上の注意喚起等の解説を追加。
3.専有部分等の修繕等:専有部分等の修繕は、理事会の承認等を得て実施可能とする。
4.暴力団等の排除規定:暴力団の構成員に部屋を貸さない、役員になれないとする条項を整備。
5.災害等の場合の管理組合の意思決定:緊急時における補修などの保存行為は理事長が単独で判断し、
緊急時の応急修繕は理事会で決定すること等とした。
6.緊急時の理事等の立入り:災害や事故が発生した場合の緊急避難措置として、理事長が専有部分に
立ち入ることができることとした。
7.コミュニティ条項等の再整理:防災・防犯、美化・清掃などのコミュニティ活動は可能であること
を明確にし、判例も踏まえた条項として各業務を再整理。マンション管理適正化法では「基本的方
向」に、新たに、コミュニティ形成の重要性を位置付け、「管理組合が留意すべき基本的事項」に
管理費とその他の費用の適切な峻別の留意点を記載。
8.議決権割合:新築物件における選択肢として、総会の議決権(及び譲渡契約時の敷地の持ち分割合)
について、住戸の価値割合に連動した設定も考えられる旨の解説を追加。
9.理事会の代理出席:理事会への理事の代理出席について、あらかじめ代理する者を定めておく、議
決権行使書による表決を認める等が望ましい旨の解説を追加し、理事会の議決有効性を巡るトラブ
ルを防止。
10.管理費等の滞納に対する措置:管理組合が滞納者に対してとり得る各種の措置について、段階的
にまとめたフローチャート等を提示。
11.マンションの管理状況などの情報開示:大規模修繕工事の実施状況や予定、修繕積立金の積み立
て状況などの情報を開示する場合の条項を整備。
12.その他所要の改正
のを、選択肢として外部の専門家も就任可とし、利益相反取引の防止、監事の権限の明確化等の所
要の規定を措置。
2.駐車場の使用方法:駐車場が全戸分存在しない場合における入れ替え制などの公平な選定方法、空
きが生じている駐車場の外部貸しに係る税務上の注意喚起等の解説を追加。
3.専有部分等の修繕等:専有部分等の修繕は、理事会の承認等を得て実施可能とする。
4.暴力団等の排除規定:暴力団の構成員に部屋を貸さない、役員になれないとする条項を整備。
5.災害等の場合の管理組合の意思決定:緊急時における補修などの保存行為は理事長が単独で判断し、
緊急時の応急修繕は理事会で決定すること等とした。
6.緊急時の理事等の立入り:災害や事故が発生した場合の緊急避難措置として、理事長が専有部分に
立ち入ることができることとした。
7.コミュニティ条項等の再整理:防災・防犯、美化・清掃などのコミュニティ活動は可能であること
を明確にし、判例も踏まえた条項として各業務を再整理。マンション管理適正化法では「基本的方
向」に、新たに、コミュニティ形成の重要性を位置付け、「管理組合が留意すべき基本的事項」に
管理費とその他の費用の適切な峻別の留意点を記載。
8.議決権割合:新築物件における選択肢として、総会の議決権(及び譲渡契約時の敷地の持ち分割合)
について、住戸の価値割合に連動した設定も考えられる旨の解説を追加。
9.理事会の代理出席:理事会への理事の代理出席について、あらかじめ代理する者を定めておく、議
決権行使書による表決を認める等が望ましい旨の解説を追加し、理事会の議決有効性を巡るトラブ
ルを防止。
10.管理費等の滞納に対する措置:管理組合が滞納者に対してとり得る各種の措置について、段階的
にまとめたフローチャート等を提示。
11.マンションの管理状況などの情報開示:大規模修繕工事の実施状況や予定、修繕積立金の積み立
て状況などの情報を開示する場合の条項を整備。
12.その他所要の改正
◆どんな点に気をつけて改正を行うべき?
今回の改正は、マンション居住者の「高齢化等を背景とした管理組合役員の担い手不足、管理費滞納等による管理不全、暴力団排除の必要性、災害時における意思決定ルールの明確化など、さまざまな課題が指摘されており、これらの課題に対応した新たなルールの整備が求められ」たことから行われました。大きなマンションから小さいマンション、新しいマンションから古いマンション、東京都心の超高層マンションから、地方都市の郊外団地型マンションまで、マンションは実にさまざまです。大事なことは考え方のメニューが増えたことから、自分のマンションの管理のあり方をしっかりと考える必要があるということです。
マンションの規約の内容とマンションの現実は合っていますか。自分たちのマンションの規約を見直すために、ぜひ、管理規約勉強会を行ってみてはいかがでしょうか。特に、新入居者の皆様に、参加をお勧めください。自分のマンションのルールすら知らない人は、知らないうちに、「居住マナー知らず」になる可能性が大きいです。お互いが気持ちよく、快適に暮らすために、管理規約の内容を理解することからはじめましょう。
◆ある管理組合の総会の日の1週間前の管理のための勉強会
○9:30~
新入居者を対象とした管理の勉強会:管理の仕組みを説明します。自分たちが「よい」と感じている住環境を維持向上させるための仕組みを理解してもらうためです。
管理組合とは? 総会とは? 規約とは? 管理者とは?
管理費とは? 管理会社の仕事とは? 等
○10:45~
総会議案書の内容の説明:議案書に沿って一つひとつわかりやすく説明をします。
質疑応答を行い内容を理解した上で、総会に出てもらうことを目的としています。
新入居者を対象とした管理の勉強会:管理の仕組みを説明します。自分たちが「よい」と感じている住環境を維持向上させるための仕組みを理解してもらうためです。
管理組合とは? 総会とは? 規約とは? 管理者とは?
管理費とは? 管理会社の仕事とは? 等
○10:45~
総会議案書の内容の説明:議案書に沿って一つひとつわかりやすく説明をします。
質疑応答を行い内容を理解した上で、総会に出てもらうことを目的としています。
Profile
齊藤 広子
横浜市立大学国際総合科学部まちづくりコース不動産マネジメント論担当教授。工学博士、学術博士、不動産学博士。
(一社)マンション管理業協会「マンションいい話コンテスト審査委員会」委員長
齊藤 広子
横浜市立大学国際総合科学部まちづくりコース不動産マネジメント論担当教授。工学博士、学術博士、不動産学博士。
(一社)マンション管理業協会「マンションいい話コンテスト審査委員会」委員長
専門は住まい学、住環境管理学、
居住のための不動産学。研究テーマは、マンションの管理、住宅地の住環境マネジメント。日本マンション学会研究奨励賞、都市住宅学会論文賞、日本不動産学会業績賞、日本不動産学会著作賞、不動産協会優秀著作奨励賞、日本建築学会賞等受賞。
著書に『不動産学部で学ぶマンション管理』(鹿島出版会)、『これから価値が上がる住宅地』(学芸出版社)、『住まいと建築のための不動産学入門』(市ヶ谷出版)、『住環境マネジメント〜住宅地の価値をつくる〜』(学芸出版社)など多数。
著書に『不動産学部で学ぶマンション管理』(鹿島出版会)、『これから価値が上がる住宅地』(学芸出版社)、『住まいと建築のための不動産学入門』(市ヶ谷出版)、『住環境マネジメント〜住宅地の価値をつくる〜』(学芸出版社)など多数。