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  • 2015.07.01掲載

マンション内の公開空地

横浜市立大学国際総合科学部教授 齊藤広子

◆敷地内広場を居住者限定にできる?

この広場と道、マンション外の人も使っているよな。 なんで誰でも使えるのだろう。
時々勝手に自転車が置かれていたり、犬の散歩でウンチが落ちていたり・・・。
夜間に電気をつけるのもお金がかかるし、防犯上もよくないよな。
そうだ! 今度理事会で提案して、ここをマンションだけの人が使えるようにしよう。

◆オープンスペースを提供して容積率割増し

敷地内に近所の人が使える広場や通路があるマンションがありますね。もし、ご自分のマンションにもあれば、それが「公開空地」かどうかを確かめてください。

公開空地とは、マンションの敷地内に、マンションの居住者だけでなく、周りの人も自由に通行したり使ったりできるスペースのことをいいます。

「なんでそんなことするの? もったいないじゃないの。自分たちだけ使いたいよ!」と思われるかもしれません。しかしこれはマンションを作るときに、「近隣に対してオープンなスペースを提供します。地域にこうして寄与するので、マンションの容積率を割増ししてください。高さの制限を緩和してください」ということを認めてもらう制度に基づいています。これを建築基準法に基づく「総合設計制度」といいます。ですから公開空地は、マンションの土地ですが、そこを勝手に塀で囲ったり、集会所など常設的な建物を作ったりすることはできません。また、マンションという皆さんの財産の敷地であるため、行政も「放置自転車がある。撤去しよう」ということはできません。


・制度の内容:
500㎡以上の敷地で敷地内に一定割合以上の空地を有する建築物について、計画を総合的に判断して、敷地内に歩行者が日常自由に通行又は利用できる空地(公開空地)を設けるなどにより、市街地の環境の整備改善に資すると認められる場合に、特定行政庁の許可により、容積率制限や斜線制限、絶対高さ制限を緩和。

・建築物の容積率の割増しの限度(運用上の区分):基準容積率の1.5倍かつ200%増以内

※国土交通省のホームページ(http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/seido/kisei/59-2sogo.html)より抜粋。