- 連載
- 専門家による施工事例
- 2013.07.01掲載
◆家の中心に、正方形のウォークインクローゼットを配置し、ぐるぐる歩き回れる、回遊性のある間取りにフルリノベーション
今回ご紹介する事例のオーナー様は、家族が増えたのをきっかけに家を購入したいという想いが一層強くなったそうです。ある時、駅に設置された情報誌でたまたま当社の存在を知り、その後オーナー様が当社のホームページを訪れてくださり、気に入った物件があったのでお問い合わせをいただいたのが、お手伝いの始まりでした。
◆専有部はもちろん、共用部の管理状況まで調査
当社では、物件探しから設計・デザインリノベーション工事まで、もちろん費用の面も含めて、トータルでサポートしています。まずは、お客様の希望をヒアリングして、その希望に合った物件を探し、お客様と一緒に実際に現場に足を運びます。マンションの場合は管理状況等も徹底的に調べます。また、お客様の希望のデザインプランが施工可能かどうかもチェックします。
今回決定した物件は、横浜市にある築13年の3LDKのマンションです。回遊性のある間取りにしたい、だから、間取りが自由に変更できる正方形がいいというお客様の希望にマッチしていたのが購入の決め手でした。
◆コンセプトとデザインプランを決定
物件が決まると、お客様の希望をヒアリング。それを元にデザイナーがデザインプランを提案します。今回のリノベーションのコンセプトは、「正方形のpersonality」です。正方形の家の中心に、正方形のウォークインクローゼットを配置し、周りをぐるぐると歩き回ることができる回遊性のある間取りです。
当社では、プラン作成から工事の着工準備まで約2ヶ月を費やし、スケルトンからの工事の場合、工事着工から引渡しまでさらに2ヶ月かかります。物件決定から引渡しまでの約4ヶ月間、お客様と対話をしながら、理想をカタチにするリノベーションのお手伝いを行っています。
◆正方形を活かして「家全体をひとつの空間」に
一度スケルトンまで解体し一からプランニングをします。つながっていた洋室とリビングと和室をひとつづきにして、LDに。さらに家の中心にあったキッチンも移動し、約17畳のLDKに。
元のキッチンの場所をウォークインクローゼットにし、玄関からのエントランス部分を広めに確保。エントランスの右手に水廻りスペース、左手に寝室を配置。水廻りスペースには建具をつけずにオープンにすることで、家全体がひとつの空間ととらえることができます。
今回の事例でポイントとなるのは、キッチンであったところがウォークインクローゼットになった点でしょう。
リノベーションでは、このように水廻りが大きく移動するプランもあります。既存物件の水廻り等は、配管および排気経路の調査を行い、その調査結果をもとに移動可能範囲を割り出し、プランを立てていきますので、移動範囲内であれば、水廻りの場所を変えることができます。
◆間取りは、将来のライフスタイルを考えて
3DK→1LDKに間取りも大きく変更しています。リビングは、17畳と広めになっています。
お客様のほとんどは、「寝室はなるべく最小限、その分リビングを広くとりたい」という設計を希望されます。そういった方の多くは寝室を4畳程度で設計しますが、今回の事例では7畳とやや広めです。
お子様が生まれたばかりの現在は、個室を広くとり、将来は真ん中に壁をたてて2部屋にするという計画で、あらかじめ設計してあります。その時に2部屋になった場合の動線も配慮して、あえて2方向からの入口を設けているのもポイントです。
また、3DK→1LDKという、リビングを広くしてトータルの部屋数を少なくするというプランは、お子様が成長されて巣立った後、夫婦だけになったという世帯にも見合うと思います。