- 連載
- マンガで事例研究
- 2023.04.03掲載
●リフォームのルール作りを
住み手自身が住まいに手を掛けることにより、自分好みの住まいとなり、住まいと住み手のよりよい関係が創られます。住まいへの愛着や関心を高め、さらなる浸透関係を構築するものにもなります。ゆえに、借りている場合でも住み手の嗜好に合った内装や間取りにできること、つまり住み手の感性に合ったかたちで空間を変化させて住むことの意義は大きく、それをマンションで進める場合には、管理組合と賃貸入居に関与する不動産会社それぞれの取り組みが問題予防のカギとなります。でも、居住者自らが手を掛けてリフォームするからといって、理事会の承認を得ないままに事を進めてはいませんか？※。あらかじめDIYをする時間や工事の内容を近隣住戸の方にご案内していますか？このようなリフォームの基本的なルールを守ってもらっていますか？お互いが気持ちよく暮らすために、あなたのマンションでもDIY型賃貸借の活用と問題予防のルール作り、そして、その実践を考えてみてはいかがでしょうか。お住まいの方自らがDIYでリフォームすることって素敵なことですしね。
【「マンション標準管理規約」第17条（専有部分の修繕等）の留意点】
●専有部分の修繕のうち、「共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれのあるもの」を行うときは、当該専有部分の区分所有者は、あらかじめ、理事長にその旨を申請し、書面による承認を受けなければなりません。なお、専有部分を所有していない賃借人や不動産仲介会社から、直接理事長に対して申請することはできません。
国土交通省HP マンション標準管理規約（単棟型）
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001417732.pdf
国土交通省HP マンション標準管理規約（団地型）
https://www.mlit.go.jp/common/001465652.pdf
国土交通省HP マンション標準管理規約（複合用途型）
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001417734.pdf
国交省HP DIY型賃貸借に関する契約書式例とガイドブックについて
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000046.html
Profile齊藤 広子
横浜市立大学国際教養学部不動産マネジメント論担当教授。工学博士、学術博士、不動産学博士。
著書に『新・マンション管理の実務と法律』（共著・日本加除出版）、『不動産学部で学ぶマンション管理』（鹿島出版会）、『これから価値が上がる住宅地』（学芸出版社）、『初めて学ぶ不動産学』(市ヶ谷出版）、『住環境マネジメント〜住宅地の価値をつくる〜』（学芸出版社）など多数。
