- 連載
- マンガで事例研究
- 2017.10.02掲載
「今年の夏休みもすごかったな。」
「プールには子供がいっぱいだし、夏祭りは本当ににぎやかだった。」
「そういえば、山田さんちのお子さんの家族が遊びに来ていたけれど……」
「いや、最近よく会うからここに住んでいるんじゃないかな?」
「それにしても、最近、若い世代が多く入ってきて、子供用の自転車置き場がいっぱいだ!!
なんか大変なようなうれしいような……でも、マナーはしっかりと守ってほしいな。」
●マンションのイベント
皆様のマンションでは、夏祭りはいかがでしたか。我が家のマンションは築40年ほどですが、今年も盛況でした。正直、どこにこれだけの子供がいるのかと思うほど、子供たちであふれていました。お父さんはビールを片手に焼きそば、子供たちにはかき氷が大人気。日頃なかなか会うことのない、マンション居住者の顔が見えました。私が最近行ったマンション管理実態調査では、マンションの防災訓練に次いで、イベントの中で最も多かったのは夏祭りという結果が出ました。
でも、マンションの築年数が経ち、子供たちも少なくなってきたら、夏祭りをやめよう、プールもやめようというマンションもあるようです。若い人が入ってくるとうるさいから、なんていっているマンションは、「2つの老い(マンションと人の高齢化)」が進行しそうですね。
●築年数が経ったマンションの、人の高齢化
築年数が経ったマンションでは人の高齢化が進んでいます。これは、日本人は一度家を買ったらあまり引っ越しをしたがらないということが原因のひとつとしてあります。
アメリカに行った際、人生で7~8回も住宅を買い替えると聞き、驚きました。また、気に入った住宅地やマンションを見つけたら、とりあえずそこに転居し、その近くで仕事を探すといったライフスタイルも、一定程度あるようです。日本とは違いますね。
日本では、マンションの築年数が経つほど、人の高齢化が進み、「2つの老い」といわれる現象になっています。マンションではどれだけ高齢化が進んでいるのでしょうか。
図-1 マンションの高齢化 国土交通省再集計 ※昭和45年以前建設のマンションでは、「60歳以上のみ」の世帯の割合が過半数。
※平成25年度住宅・土地統計調査より国土交通省再集計。
「60歳以上のみの世帯」、つまり高齢者世帯は、全マンションの平均で26%です。昭和45年以前に建設されたマンションには、「60歳以上のみの世帯」が52%の割合で住んでいます。昭和45年~昭和55年に建てられたマンションでは、48%の居住者が高齢者となっており、築35年程度のマンションで約半数が高齢者世帯となっています(図-1)。