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  • 2017.04.03掲載

マンションの管理組合の総会

横浜市立大学国際総合科学部教授 齊藤広子

マンションの管理組合の総会

ピンポーン! 誰だ?! 休みの日に。面倒な……。
「すいません。管理組合の総会に出席されますか? 出席される場合には出席確認書、欠席されるには議決権行使書または委任状の提出をお願いしていますが、まだ出ていません。ご提出いただけませんか」
「はあ? 何かの間違いでは? 私は、人付き合いが嫌いなので、何の組織にも入っていません。二度と来ないでください!!」
「困ります。あなたは、管理組合の一員なのですよ。ですから、○△×□◇×○△×□◇×・・・・・


●区分所有者は管理組合の構成員

 おどろきですね。マンションに住んでいて、管理組合を理解していない人がいるのですね。賃借人でしょうか。いや、賃借人であれば、そこに委任状等を取りに行かないはずですから、区分所有者でしょう。ご自分が管理組合の構成員であることを理解されていないようです。確かに、マンションを購入する際には、管理費や修繕積立金の金額の説明があったかもしれませんが、管理組合の説明や管理組合の構成員になること、そのための権利や義務の説明がなかったかもしれません。
 マンションは自分の住戸専有部分だけでなく、みんなで使うエントランスやロビー、廊下や階段、エレベーター、屋上・外壁などの共用部分があります。ですから、みんなでそれを管理する必要があります。また、1つの建物で一緒に暮らすのですから、各自が勝手な住まい方やリフォームなどをすれば近隣に迷惑がかかる場合があります。そこで、管理を行う団体として、区分所有者全員で管理組合を構成します。ご自分の自覚がなくても、住戸を買った瞬間から自動的に団体の構成員となります。「私は入りたくない」「私はまだ署名していない」などの理由で拒否できないものです。建物の一所有者として、管理に参加する権利と義務を負うのです。
 通常、管理を行う団体は管理組合と呼ばれています。区分所有法では、「管理を行うための団体」といっています(3条)。区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)とは、マンションのように、区分所有された建物の所有や管理について定めている法律です。
 また、マンションの管理を適正に進めるために整備されたマンション管理適正化法(マンションの管理の適正化の推進に関する法律)でも、「マンションの区分所有者等は、マンションの管理に関し、管理組合の一員としての役割を適切に果たすよう努めなければならない」(4条2項)とあります。

区分所有法
第3条:区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。

解説:
上記の管理を行うための団体は、通常一般的には、「管理組合」と呼ばれている。法的には名称は何でもよい。管理組合は区分所有者により構成される。マンションに住んでいない不在所有者も含まれる。一方、借りて住んでいる人は含まれない。