- 連載
- マンガで事例研究
- 2017.01.04掲載
●マンションに住んでよかったと思えるような活動を
せっかく一緒に住んでいるマンション居住者。お互いに知り合って、気の合う人を見つけたいですよね。なかなか、イベントに参加できなくても、お茶を飲んだり、食事をしたり、ちょっとしたふれあいができる拠点があることは大きなことです。こうした場所と機会をつくれるのは、まさにマンションのいいところです。
東日本大震災の際にうかがった築約20年、約800戸の多賀城市のマンションでは、炊き出しなどが自治会の防災部を中心に意欲的に取り組まれていました。自治会長は、「うちではもともと、サンデーモーニングカフェなどを実施していたため、人々がいざというときに助け合うことに大きく役立ちました」とお話しされていました。居住者同士の顔が見えることは安心です。そして、このカフェには、高齢の世帯も参加されていますが、子育て世代の参加も多く、まさに多世代共生の場となっています。
素敵なマンションのお話をうかがうことができました。それぞれのマンションでコミュニティカフェは、自治会と民生委員、管理会社の協力、ボランティアの有志、一般社団法人など、多様な形態が生まれています。
新しいマンション標準管理規約では、管理組合と自治会、町内会等を混同することにより、自治会費を管理費と一体化して集めている場合の問題点や、自治会的な活動への管理費の支出に対する意見の対立やトラブルがあることが指摘されていますので、こうしたサロンやカフェ運営に関しては、管理組合と自治会の役割の違いを理解したうえで、対応しましょう。
そのためには、
1. 管理組合でロビーをコミュニティカフェに使う決議をする(用途変更の場合は3/4以上
の特別決議)。
2. カフェの運営は、管理組合とは別組織の自治会やそのほかの運営委員会で行う。
3. 運営委員会は、場所代について管理組合と協議し、収入については管理組合とは独立し
たものとする。
などの対応が必要です。
の特別決議)。
2. カフェの運営は、管理組合とは別組織の自治会やそのほかの運営委員会で行う。
3. 運営委員会は、場所代について管理組合と協議し、収入については管理組合とは独立し
たものとする。
などの対応が必要です。
「マンションに住んでよかったな」とみんなが思えるように、上手に活動をしていきましょう。
Profile
齊藤 広子
横浜市立大学国際総合科学部まちづくりコース不動産マネジメント論担当教授。工学博士、学術博士、不動産学博士。
(一社)マンション管理業協会「マンションいい話コンテスト審査委員会」委員長
齊藤 広子
横浜市立大学国際総合科学部まちづくりコース不動産マネジメント論担当教授。工学博士、学術博士、不動産学博士。
(一社)マンション管理業協会「マンションいい話コンテスト審査委員会」委員長
専門は住まい学、住環境管理学、
居住のための不動産学。研究テーマは、マンションの管理、住宅地の住環境マネジメント。日本マンション学会研究奨励賞、都市住宅学会論文賞、日本不動産学会業績賞、日本不動産学会著作賞、不動産協会優秀著作奨励賞、日本建築学会賞等受賞。
著書に『新・マンション管理の実務と法律』(共著・日本加除出版)、『不動産学部で学ぶマンション管理』(鹿島出版会)、『これから価値が上がる住宅地』(学芸出版社)、『住まいと建築のための不動産学入門』(市ヶ谷出版)、『住環境マネジメント〜住宅地の価値をつくる〜』(学芸出版社)など多数。
著書に『新・マンション管理の実務と法律』(共著・日本加除出版)、『不動産学部で学ぶマンション管理』(鹿島出版会)、『これから価値が上がる住宅地』(学芸出版社)、『住まいと建築のための不動産学入門』(市ヶ谷出版)、『住環境マネジメント〜住宅地の価値をつくる〜』(学芸出版社)など多数。