トップページ > 連載 > 地域コミュニティシリーズ > 高層マンション「THE TOKYO TOWERS」の管理組合
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  • 2011年冬号

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東京の下町情緒が色濃く残されている中央区勝どきに、そびえ立つ地上58 階の高層マンション「THE TOKYO TOWERS」。約2800戸が住居を構えるこのマンションの管理組合は「人と人とのつながり」と「暮らしやすさ」を大切に日々、活動をしている。

中央区勝どき。木造2階建ての長屋や路地も残されているこの町は、東京都の再開発事業で建設された高層マンションも増えている。そんな高層マンションの一つである「THE TOKYO TOWERS」(以下、東京タワーズ)は、居住者数を合わせると一つの町が出来るほどの大所帯。この大所帯を一つにまとめ、「住みやすいマンション」を目指すのが東京タワーズ管理組合だ。第一種市街地再開発事業認定第一号の事業(マンション)である東京タワーズはその準備段階で管理規約・使用細則等を取り決めるため、当時の地権者(権利者)により管理組合を構成していたが、分譲後、一般のマンションと同様に、新役員を選任し運営が始まった。

今回は、理事長を務める片山浩美さんと、第一期、第二期と理事長を務められた村澤優子さん、そして管理会社住商建物(株)の荒尾さんにお話を伺った。勝どき地区の年間行事で、大きなイベントとなるのが「東京湾大華火祭」。この地域では、住民が行政と協力して自らの手で地域の警備・誘導を行っている。「この日だけは東京タワーズ敷地内の安全を確保するためにマンションの周囲にバリケードを張って封鎖します。敷地内に大勢の見物客が押し寄せてこないように(笑)1番広い観覧会場である晴海へ見物に来た人々を上手く誘導していきます」と話す片山さん。


普段もマンション内はセキュリティで守られている東京タワーズだが、お台場が一望できるセントラルパーク(3階有効空地)は開放され、きれいな植栽を通じて、周囲の憩いの場となっている。取材当日の11月3日文化の日は、セントラルパークの中心にあるコミュニティギャラリーで、マンション内の住民で組織しているグループコミュニティの発表会が催されていた。また、セントラルパークの3階から1階に通じる階段は、近所にある小学校の通学路として利用されている。住民やPTAの父兄から階段が急で転びやすく上り下りに不安を感じるとの意見が寄せられた。その声に対し、管理組合は、より安全な手すりに交換することとした。

このようにマンション住民の意見だけではなく、地域の方々の意見にも十分配慮し、活動する東京タワーズの管理組合。片山さんに今後の目標を尋ねると「もっとコミュニケーションを活性化させたい。まずは東京タワーズの住民の皆さん、そして、近隣の皆さんと楽しめるようなイベントを開催できれば…」と希望を語った片山さん。

マンションコミュニティ研究会の副代表でもある村澤さんは「お隣に誰が住んでいるのか分からないのではなく、住民同士、程良い距離感を保ち、困った時にお互い助け合っていければ…」と、今後も「温かなコミュニティ」づくりを目指す。