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  • 2015.11.02掲載

防災訓練レポート

大阪市福島区
「上福島地域 地震・津波避難所開設訓練」実施

マンション管理業協会関西支部では、毎年大阪府内の町会や自治会と協力して、地域防災意識の定着を高め、災害時における「自助」や「公助」、そして住民同士の「共助」の大切さを理解してもらうため、避難訓練を実施しています。

今年は10月25日(日)、大阪市福島区の上福島小学校において「上福島地域 地震・津波避難所開設訓練」が行われました。

◆大勢の住民が参加、防災意識の高まりを見せる

今回の訓練は、大阪市福島区役所、同区消防署・警察署から協力を得て、大阪市福島区の「地域活動協議会」の一つである「上福地活協」(矢山英夫会長)が主催、当協会が共催という形で実施されました。

当日は、秋の日差しが心地よい好天に恵まれました。昨今の防災意識の高まりもあいまって、周辺地域のマンション住民をはじめ、町会の人々をあわせた約300名が参加しました。

午前9時、地震による津波警報が発令されたという想定のもと、訓練が始まりました。
参加者は町会ごとに、避難所である同小学校の3階に徒歩で参集。その後、お互いに安全を確保しながら、校内グラウンドへ向かいました。

グラウンドでは、救援物資を積載したトラックが避難所に到着したという設定で、参加者が荷下ろしを手伝い、高所作業車で3階避難所へ搬入する訓練を実施しました。

大阪市上福島小学校へ集合 高所作業車で3階避難所へ救援物資を搬入

◆体験ブースで数々の実践的な訓練を実施

続いて町会ごとのグループに分かれ、グラウンドや校内に設置された各種訓練ブースにて防災学習体験が行われました。
なお、今回はマンションに関連する以下の体験ブースが提供されました。

隔壁板突破訓練①ベランダ隔壁版から隣家に脱出し、安全な場所へ避難する「隔壁板突破訓練」

ディスプレイとインターホンで情報センターと会話しながら、救出までの流れを疑似体験できる②エレベーター内で、地震による緊急停止時の対応を体験できる「エレベーターあんしんキャラバン」

階段を使用して歩行困難者を救助するための器具を取扱う③歩行困難者を階段で避難させる器具「イーバックチェア」を使った「階段避難訓練」

煙で周りが見えない中を5mほど歩行体験できる④火災を想定し、煙の中を避難する「煙体験テント」

水消火器で、火元に見立てた目標物をめがけ噴射する⑤初期消火の大切さと水消火器の使い方を学ぶ「水消火器放水訓練」

※ほかにも、身の回りの品や三角巾を活用した応急手当と自動体外式除細動器(AED)による心肺蘇生の使用説明、福島警察署による被災者救出のためのがれきや流木等のカットの実演、東日本大震災や広島土砂災害の救済活動を記録したパネル展示も行われました。


なかでも、「隔壁板突破訓練」は人気があり、子どもも含め、多くの人がチャレンジ。そのブース担当者からは、避難時に備え、「隔壁板の周囲に荷物があると避難の妨げになる。日頃から物を置かないことを心掛けてほしい」との注意がありました。

◆自主防災の必要性をさらに広める

閉会式であいさつした岩谷俊彦福島区消防署署長は、「南海トラフ地震が近い将来、発生すると予想される中、万一に備え、家具など地震によって倒れない安全な空間確保を心掛けてほしい」と自主防災の必要性を強調しました。

当協会の鈴木清関西支部長は「“地域共生”の実現に向け、一人ひとりが平常時の危機管理の意識を持ち続け、行政・住民が一体となって防災に取り組むことが必要。さらに、自分の命は自分で守る。訓練を通してこうした判断・行動力を身につけてほしい。あわせて、他人の命も守ってほしい」と締めくくりました。

最後に、非常保存食のアルファ米を用いた「炊き込みご飯」や保存用ビスケットをはじめ、防災関連グッズが参加者にふるまわれ、訓練は無事終了しました。

岩谷俊彦福島区消防署所長 当協会 鈴木清関西支部長