- 連載
- 防災訓練レポート
- 2015.03.26掲載
大阪市中央区
「中大江東・西地区避難所開設訓練」実施
今年は2月21日(土)、地震発生を想定した避難訓練「中大江東・西地区避難所開設訓練」(中大江東・西地区地域活動協議会、同西地区まちづくり研究会主催、マンション管理業協会共催)を大阪市中央区の同市立中大江小学校で開催しました。
◆300人を超える地域住民が参加
今回の防災訓練の実施にあたり当協会関西支部の会員企業は、地域のマンション居住者へ事前に開催を告知し、併せて、地域住民にも参加を促しました。
このような防災訓練は地域合同訓練として毎年実施し、今年で5回目を迎えています。
当日は前日までの寒さも和らぎ、風もなく好天に恵まれた絶好の訓練日和。災害時避難場所に指定されている大阪市立中大江小学校には、300名を超える方々が集まり、地域住民の防災意識の高さがうかがえました。
◆疑似体験で臨場感あふれる訓練を実施
訓練は地震発生を想定し、午前10時の地震警報発令とともに始まりました。
参加者は地区ごとに指定場所に集合し、防災拠点となる同小学校まで徒歩で移動。体育館に集合した後、4グループに班分けされ、校内に設置された訓練ブースで以下の体験をしました。
①緊急時にマンションのベランダ隔壁板から隣家に脱出する突破訓練
③「あんしんキャラバン」でエレベーター内に閉じ込められた状況を疑似体験できる救出体験訓練
④負傷者を階段で避難させる器具「イーバックチェア」を使用した階段避難訓練
以上の4つのブースでは、それぞれの参加者が震災時に役立つ防災学習体験として、各担当者の話に耳を傾け、担当者の「やってみたい方はいますか?」という声にも小学生やその保護者、高齢者など老若男女を問わず、積極的に手を挙げて訓練していました。
毎年好評の当協会主催の「ベランダ隔壁板突破訓練」を体験した女性は、「実際に蹴破ることは今回が初めてですが、隔壁板の周辺に障害物があると蹴破ることができないのではないでしょうか」と不安をのぞかせていました。
さらに参加者から万が一の際に実際に活用できるかどうかの重要性を指摘する声が上がると、ブース担当者は災害時の事前準備として、「避難経路の確認と、避難をするときに障害となる物を置かないことが大切です」と注意を呼びかけました。
◆避難所として活用できるマンション
最後に、運動場で可搬式ポンプで消火栓から直接放水するデモンストレーションがあり、訓練は2時間ほどで無事終わりました。
閉会式で挨拶した小佐野台当協会副理事長は「災害時の避難場所として公共施設を利用するほか、一時避難所としてマンションを活用することも必要です。訓練を通して、震災前後の自身の行動を学ぶことも効果的です。
あらゆる被害を最小限に抑えるための知識を深め、状況に応じた行動ができるよう、こうした防災訓練に参加することが必要かつ重要です。今回実施した訓練を通して、『防災の心得』という認識を深めていただけたのではないかと思います。今後も大阪府内各地で当協会と会員各社が管理するマンション居住者や周辺住人と協同して、このような防災訓練を開催していく予定です」と述べました。
その後、アルファ米(非常食)の炊き出しにより五目飯が参加者全員に配られ、終了の運びとなりました。