共通

mainView
写真夏祭り理事たち

マンションの魅力を積極的に外に発信! よりよいマンションライフのための理事会の取り組み

「マンションは管理を買え」とはよく言われますが、中古として市場に出回ったマンションの市場価値を上げるための管理とは、どのようなものなのでしょうか? また、ユーザーの立場から管理状態の良いマンションを知る手がかりとは? その一つの答えとなる事例があります。マンションの資産価値向上を目標に掲げ、ホームページなどを利用した広報活動を展開する管理組合を取材しました。

その他

問題点に気付き、理事会の改革を断行!

ブラウシア

「このマンションは、空きが出てもすぐに埋まっちゃうよ」。そう不動産会社に言われたことがあるという加藤さん(仮名)。3年前に「ブラウシア」に越してきて、現在管理組合理事長を務めています。

千葉市中央区にあるブラウシアは、20階建て総戸数438戸の大規模マンションです。2005年の竣工から、管理組合の歴史は今年で11期目を迎えますが、発足当初はごく普通の管理組合理事会だったそうです。

転機が訪れたのは5年前、6期の理事メンバーがこれまでの理事会の問題点に気がついたことでした。それは過去の理事が一生懸命取り組んできたノウハウが蓄積されていない、各理事の業務内容が規定されておらず、何を行ってよいかわからない、何より大切な目標や年間計画がなく、組織として活動できる下準備が整っていないという点でした。「このままでは資産価値を守ることが難しい」。危機意識を持った数名が改革に立ちあがったのです。

彼らがまず手をつけたのは、組織の再構築でした。20名の理事たちが一斉に集まって理事会を行うと、どうしても話が散漫になってしまいます。それを解決するため、理事を①理事会運営②生活運営③設備運営④イベントなどを担当するフレンドリークラブ運営の4つのグループに所属させ、それぞれ4~6名ごとで話し合いを行うことにしました。

また、ちょうどその頃テレビで知ったマンション管理士の浅野さん(仮名)に連絡を取り、支援を要請しました。そのマンション管理士が仕事を受ける条件に挙げたのが、「中心的な役割を担う今の理事が数名留任すること」でした。そこで、5名の理事が次期理事会において、理事長・副理事長に就任し、マンション管理士と一緒に改革を進めていくこととなりました。また、理事会の継続性を担保するため、1年交代・輪番制だった理事を任期2年・半数改選・立候補制・留任制度ありと、規約の変更を行いました。さらに、権限のない相談役として理事経験者が残るオブザーバー制度も採用しました。

コミュニティをベースとした、充実したマンションライフを

ブラウシア外観01

次に行ったのは、管理組合の理念を掲げることです。「ブラウシア管理組合は、強固なコミュニティをベースとし、終の棲家として充実したマンションライフを実現する」とした理念に、「①活気のある、笑いあふれるコミュニティ②安心・安全で、住み心地良い居住環境③終の棲家として、いつまでも信頼できる建物・設備」という3つのビジョン、それに即した行動指針、さらに10か条の理事会の活動方針を設けたのです。

これらの理念、ビジョン、行動指針をもとに、早速それぞれのグループが行動を起こしました。目に見える成果として、まずはIT環境を改善しました。これは、ちょうど設備運営担当の理事がIT関連の会社に勤めていたことから実現したことでした。「元から管理組合運営のプロはいないけれど、自分の得意分野であれば難しいことではない」と現在オブザーバーを務める田中さん(仮名)は言います。

サイトで外部に、紙媒体で居住者に、マンションの情報を提供

ブラウシアホームページ

その中で、特に力を入れているのが広報活動。ブラウシアのホームページは誰でも閲覧できる管理組合の公式サイトです。細かいマンションの概要だけでなく、ハード(建物や設備)とソフト(コミュニティ活動など)の機能、管理組合の取り組みがメディアに取り上げられた事例などが掲載されています。

「中古マンションの情報を知る手がかりは、不動産会社のサイトか口コミくらいしかない。でも、そのサイトに載っているのは分譲時のデータだけです。管理組合の取組みでせっかく改善したのだから、その情報をもっと外に向けて発信しようと考えたんです」とオブザーバーの田中さんは言います。そこで、管理組合の取組みによって新しくなった設備や規約の変更によって改良された点などを詳細にサイトで紹介しているのです。

また、「マン管プロは見た!」、「不動産プロは見た!」と題されたコンテンツは、マンション管理のプロや地域の不動産会社の方たちにブラウシアの魅力についてインタビューした記事。これは、マンション管理士の浅野さんが担当していて、ホームページを見る人が一番欲しい情報は第三者から見た客観的な意見ではないかと考えたことからできた記事です。実際に、新しく入居してくる人は「ホームページを見た」という人が多いとのこと。管理組合のフェイスブックもあり、随時更新されています。

居住者向けの「ブラウシアニュース」も、分譲当初からつくっています。理事会の活動やイベント報告、共用設備の使い方に関するマナーの記事などが主な内容で、月1回発行、全戸にポスティングしています。「実は、これが管理組合活性化の重要な取組みの一つなんです」とオブザーバーの田中さん。理事会のメンバーはほとんど固定されてきてしまっています。このブラウシアニュースで楽しく運営している理事会をもっと知ってもらい、理事会のファンをつくること、その上でいずれ自分も理事になってもいいかな、何かあれば協力してもいいかな、と思ってもらえるようになることが必要だと考えています」と田中さんは話します。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ブラウシア管理組合の公式ホームページ、facebookはこちら!
【ホームページ】http://blausea.net/
【facebook】https://www.facebook.com/blausea

概要(取材年月:2016年01月)
  • 建物名:ブラウシア
  • 所在地:千葉県千葉市
  • 階数 :20階建て3棟
  • 総戸数:438戸
  • 竣工年:2005(平成17)年
  • 管理形態:委託管理
  • 管理会社:(株)レーベンコミュニティ
  • 総会開催:毎年10月
  • 役員数 :20名(監事1名含む)
  • 役員任期:2年(半数改選、立候補制度、留任制度あり)