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居住者みんなでお年寄りを祝う、楽しい秋の敬老イベント

2015(平成27)年9月27日、鹿児島市内にある小田急サンシティ鴨池で、お月見を兼ねたおまつり「祝敬老 小田急まつり」が行われました。このおまつりはマンションに住んでいるお年寄りを敬う会であると同時に、居住者同士の親睦を深めることを目的としたイベントで、今年で9年目を迎えます。秋の夜長、みんなで合唱したり、にぎやかに踊ったり。鹿児島の十五夜の慣習に則って、子どもたちによる綱引き等も行われます。あらゆる世代の居住者が笑顔で盛り上がれる、楽しいおまつりの様子を紹介します。

各種イベント

鹿児島ならではの慣習!? 十五夜の綱引きで大盛り上がり!

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おまつり当日の十五夜は、あいにくの小雨模様。例年であれば、午後4時からマンション内の小田急広場で、小学生児童向けの第一部、「子供会の部」が始まるのですが、今回は天候のこともあり、急きょ管理事務所で絵本の読み聞かせから始めることになりました。

午後4時。管理事務所に小学生の子どもたちが集まりました。朗読する上級生を囲むように、低学年の子供たちが座ります。下級生たちに絵を見せながら、情感豊かに朗読する上級生。下級生たちは食い入るように絵を見つめ、じっと話に聞き入っていました。「上級生の読み聞かせが上手で楽しかった」と評判も上々です。

読み聞かせを行っているうちに天気も回復し、子どもたちは外の広場へと移動しました。

ここからは、毎年恒例の綱引きやケンケン相撲が行われました。鹿児島地方では十五夜の日に、集落ごとに綱引きと相撲を行うのが慣習です。その慣習に則って、マンションを一つの集落と見立て、この小田急まつりでもこの2種目を実施しているとのこと。

綱引きでは、男の子対女の子、保護者対子ども全員、男性対女性と対戦相手を変えての勝負が行われ、会場は大いに沸き上がりました。ケンケン相撲では、広場に設けられた土俵で次々と子どもたちの熱戦が繰り広げられ、大人や子どもたちの声援や歓声が広場中に響き渡っていました。

その後、ステージ上ではビンゴゲームが行われ、当たりの出た子どもには、ノートや消しゴムなどの文房具がプレゼントされ、第一部は終了となりました。

この子供会の部に関しては、マンション内の子供会が運営を取り仕切り、役員がビンゴの景品なども用意しています。子供会役員の一人は、「ここのところ、マンション内の子どもの数が減っていて、活気がなくなり気味です。それでもこのおまつりは、同じマンションに住んでいる子どもたちが仲良くなれるいい機会ですし、親同士の交流を図るのにもってこいの場にもなっているので、これからも続けていきたいです」と話してくれました。

歌って踊って、お年寄りを祝おう!

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午後6時からは、小田急広場につくられた特設ステージにて、マンション在住のお年寄りたちを祝う第二部の「祝敬老 小田急まつり」がスタート。はじめに理事長のあいさつがあり、続けて行われた子どもたちのダンスや親子合唱で、会場はなごやかな雰囲気に。その後、親父連(管理組合理事と理事経験者で構成された小田急ボランティアの計20名)の合唱、全員でのダンスと大いに盛り上がり、おまつりの夜は楽しく更けていきます。

大人向けの合唱は懐かしいアニメの曲など、ダンスは地域で流行っている「茶碗蒸し体操」や炭坑節等の民謡など、皆がその場で気楽に歌って踊れるものが中心です。基本的に第二部では、お年寄りを楽しませるために、みんなが代わる代わる舞台に上がって、歌ったり踊ったりする参加形式をとっています。

合唱や踊りの練習については、子どもたちは子供会の役員の指導のもと、9月の土日に行っていますが、大人たちは9月中に1日集会所に集まって練習をするだけで、あとはぶっつけ本番。大人の場合は、練習の成果を発表するというよりも、おまつりならではのノリを楽しむことに重きをおいているそうです。

参加者は「お年寄りが喜んでくれるので、ついはりきって踊ってしまいます」「歌や踊りを通じて居住者同士で盛り上がれるのがいいですね」と、すっかり楽しんでいる様子でした。

なお、ステージからほど近い場所には歓談席が設けられていて、基本的にお年寄りたちはこの席に座り、ステージを鑑賞しています。歓談席はマンション1棟につき2階段ごとのブロックに分けて席が配置されているので、他の居住者と飲食を楽しみながら、気軽に交流できるようになっており、「普段顔を合わせることのない人とも話ができて楽しい」と参加者からも好評です。

また、会場にはステージを終えた子どもたちが残り、お年寄りを囲んで談笑する姿も見られました。「同じマンションの人たちに祝ってもらえるのは本当にありがたい。毎回みなさんが楽しませてくれてうれしいです」とお年寄りの一人は話してくれました。ちなみに70歳以上のお年寄りには特別にお弁当がふるまわれるそうで、毎年このお弁当を楽しみにしている方も多いそうです。

おまつりでコミュニティが根付き始めた

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ここ数年、マンション内では居住者の高齢化が進み、お年寄りたちは部屋に閉じこもりがちになっていました。また、他の居住者の入れ替わりもあり、次第に居住者同士が疎遠になっていた時期も続いていました。

そこで、この状況をなんとかしたいと考えていた管理組合の理事たちから、「9月にお月見も兼ねて、居住者みんなでマンション内のお年寄りを敬う会を開けないだろうか」という案が出たのをきっかけに誕生したのが、このおまつりでした。

運営の中心は、管理組合理事と理事経験者で構成されている小田急ボランティアの総勢20名。資金は第一部の子供会の部の助成費も含め、管理費から計上しているそうです。準備については、「理事会で夏ごろから2回ほど案を検討して、9月に合同の打ち合わせを行います。それから食べ物の手配などをしますが、舞台設営はプロに任せています。毎年プログラムは大きく変えないものの、どうすれば居住者が喜んでくれるかということはつねに考えて企画はします」と管理組合理事長。

今年は天候がすぐれず、お祭りに参加したのは大人・子供あわせて約200名。うちお年寄りは40名。雨ということもあり、例年よりもやや少なめだったそうですが、このおまつりが定着したことで、お年寄りたちの楽しみが増えただけでなく、居住者間の交流も活発になってきたといいます。

マンション内ではほかにも4月のお花見や、8月に地域で行われる花火大会を屋上で見学する会などを行い、できるだけ居住者同士が交流できる機会を設けるようにしているとのこと。「せっかくマンション内にコミュニティが根付き始めたのだから、大切に育てていけるよう、これからみんなで工夫していきたいと思います」と理事長は話してくれました。

概要(取材年月:2015年09月)
  • 建物名:小田急サンシティ鴨池
  • 所在地:鹿児島県鹿児島市
  • 階数 :14階建て
  • 総戸数:275戸
  • 竣工年:1983(昭和55)年
  • 管理形態:委託管理
  • 管理会社:(株)東急コミュニティー
  • 総会開催:4月
  • 役員数 :10名(理事長1名、副理事長2名、理事5名、監事2名)
  • 役員任期:2年