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理事会と組合員・居住者を結ぶ広報紙『つくしんぼ』を発行

理事会と組合員・居住者とのコミュニケーションツールとして、広報紙の制作・発行に取り組んでいるマンション管理組合があります。千葉県我孫子市の「我孫子ビレジ」です。

その他

管理組合設立当初から毎月発行され続けている広報紙『つくしんぼ』

我孫子ビレジ管理組合は、設立された1978(昭和53)年2月から「管理組合活動の詳細を組合員・住民に広報するとともに、組合員・住民の意見を広聴する」目的のもと、広報紙『つくしんぼ』を発行し続けています。現在(2014(平成26)年11月)までに、発行号数は通巻435号を数えました。

『つくしんぼ』は、理事会からの情報を一方的に発信するのではなく、組合員や住民の声も聴きながら、相互方向のコミュニケーションツールとすることを理念として制作されています。A4判の月刊で、ページ数は記事のボリュームによって変動し4~16ページ。また、「駐車場不足対策」などといった重要・重大なテーマについては「臨時増刊号」を発行することもあります。

管理組合の理事の任期は1期2年で、1年ごとにその半数が交替し、新旧の理事がいっしょに活動することで継続性を図っています。ところが、広報紙の編集はある程度の専門性を必要とするため、理事の任期ではスキルの習熟が追い付きません。そこで2008(平成20)年から広報担当専任理事制度を設けて、編集・制作の全般について一任しています。以来、編集経験のある広報担当専任理事が、企画・構成決めから取材・執筆、原稿のリライト、レイアウト、印刷所への手配までそのすべてをひとりで担っています。

2008年から紙面デザインと内容を刷新し、より充実した広報紙に

新体制になった2008(平成20)年8月号より『つくしんぼ』は全面的に刷新され、その後も年々、充実が図られています。

記事の基本は、あくまでも管理組合活動と密接にかかわるものに限られていて、理事会で議論し、取組んでいることについて詳報するようになっています。例えば、「専有部分の給排水管改修工事に向けて!」「住戸サッシ窓の改修工事に向けて」など、組合員・居住者に対し速やかに、かつ詳しく伝えたい内容については直近の号で「特集」として掲載します。そのほか定番記事としては、「総会詳報」や、新理事長就任に際しその「よこ顔・素顔」を取材して読み物風の記事にするなどの工夫を行っています。

また、組合員の理事会運営に対する意見や提言・要望などについて毎年5月にアンケートを行い、それらの意見の一つひとつについて理事会で具体的に検討し、『つくしんぼ』紙上において理事会としての考え方や取組み予定などについて回答するようにしています。毎年、約100件の意見などが寄せられます。

さらに、課題によっては組合員・住民に集まってもらっての座談会や、ビレジのために特段の活躍をされている人にはインタビューをする企画もあります。紙面デザインも工夫が凝らされ、複数の書体を使ってメリハリをつけて読みやいようにしています。毎号の表紙を飾るのは「切り絵」界の鬼才「にい・みずよし」氏の作品です。にい氏のご厚意によるものです。

[つくしんぼの主な内容]

【特集】 組合員・居住者に伝えたい内容の特集企画を、ほとんど毎号掲載している

・毎年6月号では、「総会詳報」と新たに就任した理事長の「よこ顔・素顔」と題するインタビュー記事を掲載。

・私の<意見・提言・要望>…毎年7・8月号では、「定期総会」に伴って実施される「管理組合活動に対する組合員アンケート」の内容を理事会で検討し、見解等を回答する特集を掲載。

・暮らしの情報館…管理事務所をはじめ、各部会や専任理事の協力のもと、共用部分の設備の状況や個々の家庭に設置されている「給湯・暖房設備」(マンションでは珍しい「集中・給湯暖房システム」を採用)に関する情報、さらには「省エネの方法」といったお役立ち情報などを掲載。

・管理組合の動き…管理組合の毎月の活動状況を部会ごとに分けて報告。

・報告書ほか…マンション管理における重要課題で、定期刊行物のみでは収録しきれないものや、保存版的なものは「臨時号」で広報することもある。

組合員・居住者も紙面づくりに積極的

『つくしんぼ』は、約1,100部印刷され、印刷費は、管理費(組合員費)から支出されています。出来上がるとまず、各棟の理事に配布され、理事自身もしくは階段委員によって全居住者のほかビレジ内の商店などに届けられています。

居住者からは「情報量が多すぎて読むのに骨が折れる。もっと簡潔なものでもよいのではないか」といった厳しい意見があるものの、大半は「特集をはじめ、インタビューや座談会記事など、おおいに関心を持って読ませてもらっている」「暮らしの情報館の記事が役立っている」「次号が楽しみ」など好意的な意見が寄せられています。

概要(取材年月:2014年11月)
  • 建物名:我孫子ビレジ
  • 所在地:千葉県我孫子市
  • 階数 :14階建て高層棟2棟、11階建て(内1・2階店舗)高層棟1棟、5階建て中層棟17棟=計20棟
  • 総戸数:994戸
  • 竣工年:1978(昭和53)年
  • 管理形態:委託形式、現場完結型(当ビレジは「集中給湯暖房システム」を採用していることから、管理事務職員1名・技術職員5名の計6名が常駐する1年365日オープン、24時間常駐管理方式。但し、土・日・祝日のみ事務職員に代わって管理人が勤務)
  • 管理会社:(株)東急コミュニティー
  • 総会開催:毎年5月の第4日曜日
  • 役員数 :理事24名(内、正・副理事長各1名)、監事1名、専任理事3名
  • 役員任期:2年